酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平のメジャー成績を大胆予想。
投手では11勝。一方野手では……。
posted2017/11/20 10:30
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
大谷翔平のMLB挑戦が決まった。これまで、多くの選手が海を渡ったが、今回の大谷の渡米をちょっと違った気持ちで見送っているファンも多いのではないか。
2014年10月、私は京セラドーム大阪でのCSファーストステージ、オリックス対日本ハム戦を見に行った。三塁側のグランド近くにいると、ベンチの前で大谷翔平が捕手の市川友也とキャッチボールを始めた。
そこに、オープニングセレモニーの演奏をするために、大阪桐蔭高校の吹奏楽部の女子生徒が楽器を抱え、隊列を組んで近づいてきた。
大谷のそばを通るとき、女子生徒たちの顔がぱっと明るくなるのがはっきりわかった。長い隊列を組んだ女の子たちが、次々にそわそわし出して、それが後ろに伝わっていって、そのままダイヤモンドへと出ていった。ちゃんと演奏できたんだろうか。
大阪桐蔭である。大谷の同世代の藤浪晋太郎や森友哉など、ごつい有名選手が学校ではうろうろしていたはずだ。そういう男臭いのには慣れていたはずだ。でも、彼女たちは大谷の近くを通って、なにごとか感じてときめいたのだ。
大谷の魅力、存在感というのは独特だなと思う。
今年の沖縄、名護の日本ハムキャンプでのこと。サブグランドにいると、報道陣をかき分けるようにして大谷がやってきた。知り合いと思しき女子アナと目が合うと、大谷はにこりともせずに「どうも」と言って通り過ぎた。そのとたん、女子アナの顔もぱっとほころんだ。いろんな男前を腐るほど見ているであろう彼女もやっぱり上気した。
大谷の魅力、存在感というのは独特だなと思う。
大谷翔平は純朴で一本気だけども、その一途さからかすかに、何とも言えないオーラ、色気のようなものが立ち昇っているのだ。
そういうのにふれると、女性はきゅっとなるのだろう。で、一線を越えたの越えないのと言う、くだらない騒動が少し恥ずかしくなるような、初々しい気持ちになるのだろう。
要するに大谷翔平は、好青年なのだ。ダルビッシュ有や田中将大が「野心」を燃やしてMLBに挑戦したのに対し、大谷は「青雲の志」に燃えてアメリカに行くんじゃないか。燃やすものが違うんじゃないか、と思うのだ。
それだけに頑張ってほしい、と言うことで、今回は大谷翔平のMLBでの活躍について、データで占ってみよう。