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<ワールドシリーズ完全詳報>ダルビッシュ有&前田健太「敗れてもなお」 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2017/11/20 08:00

<ワールドシリーズ完全詳報>ダルビッシュ有&前田健太「敗れてもなお」<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi
ワールドシリーズを戦った2人の投手。
頂点には届かなかったが、ただひたすら、世界一を目指し、無心に戦った日々は、彼らに多くの“成長”をもたらした。

 屈辱感と申し訳なさが、ダルビッシュ有の胸の中で交錯していた。ドジャースにとって、1988年以来29年ぶりの世界一をかけたワールドシリーズ(WS)第7戦。今季、メジャー最高打率を残したアストロズ打線相手に先発の大役を任されたダルビッシュは、本来の力を出し切れないまま、ぼう然とした表情で敗戦を見届けた。

「失望というか、自分の引き出しが足りなかったのがすべて。しばらく自分の中に残るでしょうけど、しっかりこれを糧にできるようにしたいです」


 異様な雰囲気の中で始まった最終決戦。

 1回表に失策絡みで2点を先制され、さらに2回表2死までに3点を失った。わずか5アウト、47球でマウンドを譲り、本拠地ファンのブーイングを背に、ダルビッシュの2017年最終登板は終わった。

 残酷なまでの結果だけを見れば、両肩にかかる重圧に屈したようにも映る。だが、ダルビッシュの思いは、少し異なっていた。

「こんなところでマウンドに立てるというのは、今まで関わってくれたすべての人がいないと、ここにいないんだなと、感謝しかなかったです」

 必要とされ、期待を込めて送り出されたことを意気に感じ、プレートに足をかけた。それでも、結果は伴わなかった。

 WS初登板となった第3戦では、2回持たずにKOされた。公式戦以上に滑ると言われるWS使用球に戸惑い、スライダーが制御できず、速球系を狙い打ちされた。その後、中4日の間に修正に取り組んだ。だが、それも短期間では限界があった。「ストライクを取れるレベル」で抑えられるほど、強打のアストロズ打線は甘くなかった。

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日本シリーズ激闘の果て。

Sports Graphic Number 939

日本シリーズ激闘の果て。

 

ダルビッシュ有
前田健太
ロサンゼルス・ドジャース

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