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「ジョホールバルの歓喜」から20年――。
ラーキンスタジアムの今を訪ねた。 

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磯貝哲也

磯貝哲也Tetsuya Isogai

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photograph byTetsuya Isogai

posted2017/11/16 07:00

「ジョホールバルの歓喜」から20年――。ラーキンスタジアムの今を訪ねた。<Number Web> photograph by Tetsuya Isogai

まだJリーグほどはアジアでの存在感が高くないマレーシアのプロリーグだが、サポーター達の熱さは日本に負けていない。

今もジョホールバルには日本人の“聖地巡礼”者が。

 聞けば、試合のない日でさえも、これまで多くの日本人がラーキンスタジアムに“聖地巡礼”しているのを見かけてきたという。

 私たち日本人にとって、あのイラン戦は絶対に忘れることができない試合だが、現地の人にとってみれば「海外の試合が見られる」というイベントのひとつにすぎなかったのかもしれない。

 ジョホールバルを私が訪れるきっかけになったのは、シンガポールで行なわれた3年前の日本対ブラジル戦だった。現地のスタジアムで観戦していた私は、隣席のマレーシア人3人組が日本代表のユニフォームを着ているのに興味を引かれた。話しかけてみると、マレーシア人3人組は日本のサッカーについても詳しく、いつか自分の応援するチームと日本のチームの対戦が見てみたいね、という話で盛り上がった。

 彼らの応援するチームこそがJDT。

 ラーキンスタジアムをホームに構えるチームのファンと知り合ったからには、ラーキンスタジアムでJDTの応援に訪れなくてはと思ったのだ。

「AFCカップではなく、ACLに出場したいんだ」

 JDTは、現在ジョホール州のトゥンク・イスマイル皇太子がオーナーを務め、他のチームと比べて潤沢な資金をバックに2014年からリーグ連覇を続けていて、今季も3試合を残して既に優勝を決めていた。

 今年の1月にはACL予選でバンコクユナイテッドに勝ち、プレーオフ決勝でガンバ大阪と対戦したのを覚えている人もいるかもしれない。

 試合は3-0で敗れ、ACLの本戦進出はならなかったが、アジアの上位リーグのチームと対戦できることが何より嬉しい、と彼らは言う。アリ君が続ける。

「今後のマレーシア代表の成績次第で、2019年からACLに予選からではなくストレートに出場できるかもしれない。ACLの常連国と対戦して、勝てる可能性は少ないかもしれないけど、AFCカップではなく、ACLに出場したいんだ。中国にいるブラジル代表選手や、W杯の常連国の韓国、オーストラリアと対戦したい。もちろん日本のチームともね」

【次ページ】 90分間、唄い踊り、跳ね続けるマレースタイルの応援。

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