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濱口遥大の球を誰よりも受けたから。
好投導いたDeNA高城俊人の観察眼。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/11/10 17:30
第4戦では貴重な追加点となる本塁打も放った。24歳、捕手として高城は今から伸び盛りの時を迎える。
週1のスタメンでも全球チャートをつける研究家。
事実上、濱口の専属捕手として起用されている高城の出番はそう多くない。シーズン中もスタメンマスクは週に1度。それでも試合中のベンチで全球チャートをつけ、研究を欠かさなかった。
高城は以前、こう語っていた。
「ベンチから、打った時のファウルの反応を見て、もう1球続けていいのか、球種を変えたほうがいいのか、ずっと考えています。(試合に出ている)キャッチャーと一緒になってぼくも配球してるつもりで見ている。だから、自分の考えたとおりの配球で抑えた時は、一緒になって喜んでますね」
少年時代はホークスジュニアに所属し、城島健司に憧れていた。24歳の大人になって強いホークスに勝てた。負けられない短期決戦の経験が、少ない試合でも多くの成長をもたらした。
一時は戸柱恭孝が占めていたベイスターズの正捕手の座は、シーズン後半からの嶺井博希の台頭によって、その争いが混沌とし始めている。
就任3年目となる来シーズンに向け、ラミレス監督はこう明かした。
「来年はオープンで、レギュラーなしという状態から仕切り直したい。戸柱、嶺井、高城の3人で競い合って、試合の出場権を勝ち取ってほしい」
激しい正捕手争いは、秋季キャンプの地、奄美大島ですでに始まっている。