フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
世界女王メドベデワの優勝でGP開幕。
コストナー、樋口が続くも圧巻の強さ。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU/ISU via Getty Images
posted2017/10/25 15:00
圧巻の強さと美しさを見せた世界女王メドベデワ。平昌五輪までに果たして“ライバル”という存在が現れるのか?
ノーミスで滑りきったベテラン、コストナー。
30歳のカロリーナ・コストナーは2013/2014年シーズン以来、4シーズンぶりとなるGPシリーズ出場である。
SPの曲はセリーヌ・ディオンがフランス語で歌う『Ne Me Quitte Pas/(邦題)行かないで』。
3+3トウループ、3ループ、2アクセルとジャンプの難易度では他のトップ女子に劣るものの、ひとつひとつの要素の質が高く、流れるスケーティングの美しさを強調した王道の演技で74.62を手にした。
フリーでの曲『牧神の午後』は、2010/2011年シーズンでも使った音楽だ。
往年の名選手、ジョン・カリーやジャネット・リンも滑ったことがあるこのドビュッシーのメロディは昔からのフィギュアスケートの関係者にとっては思い入れのある曲でもある。
カリー本人から手ほどきを受けたことのある振付師のローリー・ニコルが、この音楽をコストナーに与えたのには、特別な思いがあったに違いない。
「この演技でスタートできたのは特別なこと」
コストナーは3フリップ+2トウループ、単発の3フリップ、3ループなど、6回の3回転ジャンプをきれいに成功させ、最後まで流れの途切れない素晴らしい演技を見せた。
フリー141.36、総合215.98で2位を保って4年ぶりになるGPメダルを手にした。
「6分間ウォームアップではなかなか体のリズムが取れなかったけれど、出番までの待ち時間に気持ちを整えてエネルギーを充電することができました。まだまだ磨きたい部分はあるけれど、GPシリーズをこの演技でスタートできたのは特別なこと」と会見でコメントした。