フランス・フットボール通信BACK NUMBER
リベリーがロッベンを殴って大人気!?
バイエルンを支える“ロベリー”の絆。
text by
パトリック・ソウデン&アレクシス・メヌーゲPatrick Sowden et Alexis Menuge
photograph byBernard Papon
posted2017/10/22 07:00
ロッベンとリベリーの活躍により、バイエルン、オランダ代表、フランス代表などそれぞれのチームは幸せな時代を過ごせたはずだ。
なぜか公私共に仲良くなった、ふたりの激情家。
この親密さは実に微笑ましいものではないだろうか――。
歳月を重ねるにつれて、それはまるで“ひなげし婚(フランスでの結婚8年目記念の呼び方)”を祝うかのように、ふたりは距離を縮めていったのだった。
今年の春にはあるテレビ番組で、「ともにプレーできる喜び」をふたりがかみしめている姿が放映された。
またある週末では、ビール祭りで同じテーブルに座っている楽しげなふたりの姿が見られた。サッカー以外の行事で一緒に時間を過ごすのは、8年間ではじめてのことであった。
ふたりはまるで同じ生活を送る家族のように似通っていた。
アリエンはもともと出不精で家にこもりがちだった。若いころはスキャンダルにまみれたフランクも、今はすっかり落ち着いている。どちらも感情を抑えきれず、意にそわない交代やベンチを温めるのを絶対に我慢できない。
リベリーの冗談を軽く聞き流せるようになったロッベン。
3月中旬にメンヘングラッドバッハでの試合終了前に起こった出来事を、テレビを見ていたドイツ人たちは今も忘れていない。
終了15分前に交代を告げられたリベリーは、あからさまな不満の仕草を見せながらも、それでも監督と抱擁を交わした。
その10分後、今度はロッベンがピッチを去ることになり、彼もまたイラつきを隠せないままベンチに腰を下ろしたのだった。その時、リベリーが放った言葉にベンチは爆笑に包まれたが……激怒してもおかしくないはずのロッベンだけはそのままの表情で、リベリーの冗談をサラリと聞き流していたのだった。