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上原浩治の20勝には届かずとも。
ロッテ酒居知史“閉幕一軍”の充実。

posted2017/10/19 08:00

 
上原浩治の20勝には届かずとも。ロッテ酒居知史“閉幕一軍”の充実。<Number Web> photograph by Kyodo News

今季が契約最終年となった伊東監督のもとで5勝を積み上げた酒居。井口新監督のもとではローテーションの軸としての飛躍を期待される。

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永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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Kyodo News

 1年目の目標は20勝――。

 大言壮語のつもりは毛頭なかった。

「この人を超えるには、まずはそこから(20勝)だと思いましたし、大阪体育大学では唯一無二の存在なので。その唯一を超えるとしたら、それなりの凄いことをしなければいけないですから」

 そう話したのは今年、大阪ガスから千葉ロッテに入団した酒居知史(ともひと)だ。

 彼が言う“この人”とは大阪体育大学の大先輩にあたり、現在はシカゴ・カブスで活躍する上原浩治のことであり、彼がプロ入り最初の目標として「20勝」を掲げたのも、上原がプロ1年目に残した成績(20勝4敗)に並ぶことで、憧れの先輩に少しでも追い付きたい、“上原超え”の第一歩を、そこから踏み出したいと考えていたからだった。

9回の先発登板で2回の完投勝利など希望の光に。

 プロ1年目の今季、酒居は目標の20勝には遠く及ばなかった。

 それでも8月から先発ローテーションに定着すると、シーズン終了までの約2カ月間で5勝1敗と高い勝率をマーク。9回あった先発登板のうち、8月18日のオリックス戦と9月20日の埼玉西武戦の2回にわたって完投勝利を記録するなど、春先から不振だった千葉ロッテ先発陣の希望の光となる活躍を見せた。

「実際、シーズンを戦ってみて20個勝つのはやっぱり難しいなと感じました。それも(プロ入り前から)分かっていたことではあるんですけど、プロ入り前は未知の世界だったというか。実際に1年間戦ってみて、そのときのチーム状態であったり、僕の何かを変える部分であったり、自分の実力的なことだったり、そうしたことも全部含めて、最初に立てた目標と現実的に向き合えるんじゃないかと感じた1年でした。それが手応えというか、ひとつの答えにはなったのかなと思います」

【次ページ】 「打たれてもいいから、二軍では自分の球を」

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