サッカーの尻尾BACK NUMBER
柴崎岳は「大舞台で何かする日本人」。
復帰時期がスペイン中の関心事に。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byAFLO
posted2017/10/05 11:45
柴崎岳はバルセロナを相手にド派手な“自己紹介”を行った。スペイン1部中が、彼の復帰時期に注目している。
バルサ戦のゴールで、ヘタフェで最も知られた選手に。
ヘタフェでも開幕から先発出場を続け、随所にセンスを発揮。バルサが逆転勝利したものの柴崎への賛辞は変わらず、同節のベストイレブンにも選ばれた。柴崎のゴールが週末に繰り返し放送されたことで、通常はヘタフェの試合など気にもしないファンも目にしたはずだ。このゴールで、柴崎はヘタフェで最も知られた選手になった。
数カ月前、柴崎がまだテネリフェでプレーしていた頃、当時の監督マルティは自信ありげにこう語っていた。
「ガクは十分活躍できるポテンシャルを持っている。パスの能力は高いし、彼にボールが入るとリズムが変わる。ゲームの展開を落ち着けることができる。スペースに飛び込む感覚も優れているし、1部のリズムにさえ慣れれば、十分活躍できると見ている」
マルティの予見は当たっていた。1部のリズムに戸惑うことなく、バルサ戦では得点力も見せた。
バルサの番記者は、柴崎のシュートに驚いた。
ゴールの数日後、カンプノウを訪れ柴崎のリアルな評価を聞いてみた。記者席に座るバルセロナの地元紙、ムンドデポルティーボのバルサ番記者エドゥ・ポロに声をかける。
「昨季は乾もバルサに2点も決めたし、最近は日本人にばかりやられてるな」と彼は笑う。
「柴崎は中盤の選手だが、とにかく得点力がある。あのゴールの場面も、ダイレクトで打とうと考える選手がどれだけいるか。シュートに自信がなければできないことだ。それも、利き足とは逆の足であの精度だ。攻撃も作れるし、監督が先発で起用しているのも当然だ。
柴崎はリーガで十分活躍できると、あの試合を見て確信した人は多いのではないか。あんなゴールを決められて先制され、ひやりとしたのは確かだ。まあ、結果的には勝ったが」
昨季バルサ相手に2得点を決めた乾は、今季のバルサ戦の試合前、カンプノウのスクリーンに何度もその姿がぬかれていた。
今季、ヘタフェがカンプノウを訪れるのは2月。同じ扱いになるのは間違いない。