サッカーの尻尾BACK NUMBER
柴崎岳は「大舞台で何かする日本人」。
復帰時期がスペイン中の関心事に。
posted2017/10/05 11:45
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
AFLO
ヘタフェが柴崎岳の負傷に関する公式発表をしたのは、バルセロナ戦から2週間以上たった月曜日のことだった。
クラブは短い一文で、左足中足骨の亀裂の手術と、それが成功に終わったことを報告。復帰時期は“回復次第”と、具体的な離脱期間の言及を避けた。
バルサ戦で華麗なゴールを決め、大喝采を浴びながら負傷でピッチを後にした柴崎。その後もクラブから公式な発表はなく、状態を心配する声も多かった。現地報道でも、全治は数週間から数カ月というものまで、媒体によって様々な憶測が飛び交っていた。
クラブの発表の後、マルカ紙は復帰時期を「12月」としている。一方のアス紙は、復帰まで約7週間、戻ってくるのは11月末と予想した。
大舞台で何かする日本人、というイメージ。
この一報と同時に、どのメディアも言及したのが、柴崎が10月14日のレアル・マドリーとの試合に出場できない、ということだった。
柴崎は昨年のクラブワールドカップ決勝でレアル・マドリー相手に2得点を決め、スペインでも名前が知れ渡った。その10カ月後に、今度はリーガの舞台でマドリーと顔を合わせる、そんなドラマは現地でも描かれていたわけだ。
マルカは“柴崎の日記にはレアル・マドリー戦の日に赤線が引いてある”と表現したくらいだ。バルサ戦でも得点したように、大舞台で何かをする日本人、というイメージもある。マドリーとの再戦は大きなトピックだったのである。
名刺代わりとなったクラブワールドカップの2点の後、2月にはテネリフェに移籍してからその評価を確固たるものにした。
テネリフェのマルティ監督は柴崎をチームの中心に固定し、1部昇格を争うプレーオフで主役として躍動。昇格は後一歩のところで叶わなかったが、その活躍により1部のヘタフェ移籍を自らの手で手繰り寄せている。