“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保建英と平川怜は楽しんで勝つ。
U-17W杯優勝を本気で狙うために。
posted2017/10/04 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
10月6日に開幕するU-17W杯、日本代表は8日に初戦のホンジュラス戦を迎える。このチームでキーマンとなるのが、FW久保建英とMF平川怜の“FC東京U-18コンビ”だ。
ずば抜けた個人技とサッカーセンスを兼ね備えた久保。
常にピッチ全体を見渡し、的確なポジショニングとパスセンスでバランスを司る平川。
チームを率いる森山佳郎監督も絶大な信頼を寄せる。
「平川はこのチームの“心臓”です。彼が攻撃の方法を決めるというか、外国人を相手にして“シンプルにやれ”と言っても、ぐいぐい自分で持ち運んで決定機を作ってしまう。彼の出来は鍵を大きく握っていると思います。久保はU-20W杯を経験して、僕らのところに貴重なものをまた注入してくれています。
帰ってきてからすぐ、大会に参加して得た素晴らしい話をしてくれました。U-20W杯では得点を取れなかったし、かなり悔しい思いをして帰ってきたので、この大会に期する思いは強いと思う。チェコ(遠征)で合流して、すぐに入って攻撃のアクセントになってくれた」
彼らはそれぞれ高1、高2ながら、すでにサッカーファンには広く知られた存在になっている。そして待ちに待った世界の舞台に向けて、さらにプレー精度に磨きをかけている。
J3にフル出場した翌日、プレミアでも“切り札”に。
9月24日の高円宮杯プレミアリーグイースト第14節・柏レイソルU-18vs.FC東京U-18の一戦は、U-17W杯前最後のリーグ戦だった。
この試合、久保と平川はベンチスタートだった。それもそのはずで、その前日にJ3第24節・栃木SCvs.FC東京U-23(4-1で敗戦)に、2人とも先発フル出場を果たしていたからだ。しかし1-1のまま推移した試合の中で、70分に平川がボランチの位置に投入される。落ち着かない展開だった中で、ボールを収めて時間を作り出すプレーをさらりとやってのけた。
さらに77分、久保も投入された直後に試合が大きく動く。久保が左から切れ味鋭いドリブルで仕掛けると、柏U-18の数人が寄せてきてもシュートまで持ち込んだ。このこぼれ球にフリーとなったMF小林幹が蹴り込んで、勝ち越し点を挙げた。