月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
巨人vs.DeNAは清宮幸太郎にも影響!?
プチ鹿島9月のスポーツ新聞時評。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKatsuro Okazawa
posted2017/10/02 17:45
高校時代に出場した3度の夏の甲子園で、唯一の敗戦となった1984年決勝の取手二高戦。10回表のマウンドに立つ桑田真澄。
荒木大輔「現役がもう少し、何年か延びたかも……」
少し前になるが、かつての甲子園の主役がこの夏に語っていた記事を思い出した。印象深かったので引用してみる。
まず荒木大輔氏。早実の元アイドルエース。連投経験をこう語る。
「高校でヒジ痛はなかったけど、大会が終わった後に張りが残って、注射を打ったことは何回かあった。(略)あの時ケアとかをもっとちゃんとしてたら、(現役が)もう少し、何年か延びたかもしれない」(日刊スポーツ・7月15日)
この言葉の後に、
「オレはタイブレーク賛成。高校野球の魅力がなくなるとか言うけど、その子たちの将来の方が大事」(同前)
続いては桑田真澄氏。PL学園では甲子園に全5季出場。甲子園通算20勝は戦後最多。
「タイブレイクで試合時間は短くなるかもしれませんが、投手の故障予防には根本的な解決法が必要です。球数制限と連投禁止を導入すれば、2番手や3番手の投手が登板するから、点が入りやすい。タイブレイクなしに、試合時間も短くなるでしょう。投手の故障予防という課題には、最優先に取り組んでほしいと思います」(スポーツ報知・8月7日)
「誰よりも甲子園で投げてきた僕が言うんですから」
桑田氏はまず「球数制限導入」を提唱している。
「シンプルな目安を言うなら、100球以上は負担が大きい。高校時代、誰よりも甲子園で投げてきた僕が言うんですから、わかってもらえると思います(笑い)」(同前)
球数制限が導入されれば、「待球作戦で100球以上投げさせ、エースを降板させよう」という戦術で臨む指導者が出てくるのでは?
「日本学生野球憲章では『フェアプレーの精神を理念とする』とも定められています。教育の一環ですから、そういう卑怯(ひきょう)な戦術には高野連が注意し、初球からフルスイングする野球を奨励してほしい」(同前)
荒木氏、桑田氏、この甲子園元エース両氏の見解をあなたはどう思う?
以上、9月のスポーツ新聞時評でした。