3連敗した時に支えてくれた、おかみさんへの感謝。

――改めてこの秋場所を振り返るとどんな場所だったと言えますか？

「初めてひとりで横綱として出て、本当にいろいろ経験させていただきました。最初は心技体がうまく合わなくてバタバタして、どうなるかなと思いましたけど、こうして終わってみればね、いい結果で終わって。本当によかった」

――千秋楽は星の差ひとつで追い掛けて、どんな気持ちで土俵に上がったのでしょう？

「目の前の一番に集中して、全身全霊で相撲を取ることだけを考えていました」

――気持ちの面ではどうだったでしょうか？

「もう集中するだけなので」

――星の差3つで終盤に入った時、優勝の意識はどうでした？

「優勝とかを意識するどころじゃなかったですね。気持ちだけは負けないように前を見て相撲を取りました」

――理事長も「序盤で3連敗したあと、そこからよく持ち直した」と評価していましたが。3連敗した時の心境というのは？

「今も言いましたけど、もう、本当におかみさんに支えていただきました。『気持ちだけでも負けないで、15日間戦えることだけを考えて頑張ってください』と。『ああ、そうだな』と思いながら、土俵に上がることだけを考えていました」

――15日間勤めて最後は優勝も手に出来た。改めてどんな場所だったと？

「こうやって終わってみると、一日一日の戦いの積み重ねが優勝というものに繋がって、ホッとした部分と……。本当によかったなという感じですね」

――初めて一人で横綱を15日間勤めたというのは、大変な部分もたくさんありましたか？

「大変とかいうのはありませんけど。毎場所毎場所、場所に臨む気持ちは一緒なので。負けが込むと言い訳もできないし、そういう意味では大変だったかな、と。はい」

――「後ろがない。前に進むしかない」という主旨の言葉も（場所中に）ありましたけど、そういった意味の重圧はありましたか？

「今言ったとおりです（苦笑い）」

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