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脱「アイスランドに負けた人」作戦。
ホジソンがプレミアで狙う名誉挽回。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/09/23 08:00

脱「アイスランドに負けた人」作戦。ホジソンがプレミアで狙う名誉挽回。<Number Web> photograph by Getty Images

第5節ハダーズフィールド戦から指揮を執ったホジソン監督。70歳での就任は現地メディアも大きく注目している。

徹底的な守備ドリルで、負けにくいチームを。

 当時ロンドン南西部郊外にある練習場を訪ねた際には、ベテランGKのマーク・シュウォーツァー、中堅のクリント・デンプシー、ユースから台頭したばかりのクリス・スモーリングらがそろって「結果が出るからついていく気になる」と、ホジソンへの信頼を語っていた。

 当時の主力だったダニー・マーフィー(現解説者)は「うんざりするぐらいやらされた」と苦笑いして振り返るが、ホジソンは徹底的な守備ドリルを通じて、負けにくいチームを作り上げる。攻撃面に関しては、決してロングボール一辺倒ではないが、ポゼッションやビルドアップには固執しない現実主義的な感覚を持つ。

 この名より実をとるアプローチは、デブール前監督のボールを持って攻めるスタイルに馴染めなかったクリスタルパレスの既存戦力に適してもいる。

得点源ベンテケとともにバリエーションある攻撃を。

 10年前、ホジソンが降格の窮地から救ったフルハムでは、冬の移籍市場でブレデ・ハンゲランを最終ライン中央に加えた補強が効いた。その点、今季のクリスタルパレスはすでに10名を超えるDF陣を抱えている。昨季後半戦でのレンタル移籍が奏功したママドゥ・サコは8月末に完全移籍。9月19日にハダーズフィールドを下したリーグカップ3回戦で初出場を果たし、今季初の零封勝利に大きく寄与している。

 サウサンプトン戦でジェフリー・シュラップが苦戦した左SBには、自動車事故で重傷を負ったパペ・スアレも戦線復帰を果たした。最終ラインは3バックからチームとして慣れている4バックへと変更されてもいる。

 強豪以外との対戦では勝ち点3を奪う必要もあるが、ホジソンの手元にはクリスティアン・ベンテケという1トップがいる。なおフルハム時代も元米国代表のブライアン・マクブライドをターゲットマンとして起用していたが、得点能力と威圧感はベンテケが上と見て差し支えない。

 ベンテケはクリスタルパレス加入後こそ静かなイメージでも、移籍1年目の昨季もリーグ戦15得点は断トツでチーム内トップ。今季開幕後はメディアに“やる気”を疑われたことさえあるが、前線での孤立が続けばフラストレーションが募って当たり前だ。

 前節でも不発に終わったものの、右サイドからの突破で絡むアンドロス・タウンゼントや、ロフタス・チークとの縦の連係など、後方からのロングボール以外のバリエーションが加わる可能性が垣間見られた点は貴重な収穫だったと言える。またウィルフリッド・ザハも、開幕戦で負った膝の怪我からの復帰プロセスのペースを上げている。

【次ページ】 再び「世代交代を推し進めた監督」となれるか。

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