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脱「アイスランドに負けた人」作戦。
ホジソンがプレミアで狙う名誉挽回。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byGetty Images

posted2017/09/23 08:00

脱「アイスランドに負けた人」作戦。ホジソンがプレミアで狙う名誉挽回。<Number Web> photograph by Getty Images

第5節ハダーズフィールド戦から指揮を執ったホジソン監督。70歳での就任は現地メディアも大きく注目している。

1888年以来となる史上最悪のスタート。

 サポーターの間でも意見は分かれている。就任報道ではクリスタルパレスの本拠地、ロンドン南部クロイドン生まれの「ローカルボーイ」という表現が盛んに使われた。ただ筋金入りのファンではなく、選手としてトップチームに所属した経緯もないことから「同志」として熱烈に歓迎されたわけでもない。

 初陣となった9月16日の5節サウサンプトン戦、キックオフ前こそ温かく迎えられたものの、後半の選手交代に本拠地に詰めかけた観衆から軽いブーイングが起こった。ベンチに下がったルーベン・ロフタス・チークは軽く足を痛めていたのだが、ファンの一部は、まずまずの出来だったトップ下にビハインドの状況で交代を命じたホジソン采配に疑問の目を向け、不満を口にしたことになる。

 おまけにクリスタルパレスは、開幕からの無得点と連敗が5試合に伸びた。これは1部リーグでは何と、1888年以来となる最悪のスタート。5節を終えただけの時点で「降格したも同然」とまで言う解説者まで現れた。シティとユナイテッドの両マンチェスター勢とのアウェイゲーム、チェルシーとのホームゲームと続くリーグ戦日程から、開幕8連敗の可能性を否定することは難しい。

 つまりホジソン新体制のクリスタルパレスは、未来もお先真っ暗ということになる。果たして新監督は名誉挽回、クラブは降格回避を実現する術があるのだろうか? 

ホジソンは下位に沈むクラブを立て直した実績が。

 救済への扉を開く唯一とも言うべき鍵は、皮肉にも過去の中に眠っている。

 当人は「救済云々など意識していない」とも言っているのだが、ホジソンには自身とクラブを救済した前歴があるのだ。プレミア指揮官としての前任地に当たるウェストブロムウィッチでは、就任時点で降格圏の17位にいたクラブを、最終的には11位での残留に導いている。就任は、前月にリバプールを早期解任されて評価が急落していた最中の出来事だった。

 また2007-08シーズンには不調に陥っていたフルハムを立て直し、「世紀の降格回避」と評された。当時は北欧や中東での監督生活が続き、母国では忘れられかけていた中での「サプライズ人事」で就任したホジソンは、リーグ戦2勝のみで降格圏に落ちていたチームを最終節で劇的な残留に導いている。なおホジソン体制で息を吹き返したフルハムは、2シーズン後にクラブ史上初のヨーロッパリーグ決勝進出まで果たすことになる。

【次ページ】 徹底的な守備ドリルで、負けにくいチームを。

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#ロイ・ホジソン
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