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五十嵐、川村、そしてレジェンド折茂。
Bリーグとホームタウンの幸福な関係。 

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瀬尾泰信(Number編集部)

瀬尾泰信(Number編集部)Yasunobu Seo

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photograph byYuki Suenaga

posted2017/09/21 17:30

五十嵐、川村、そしてレジェンド折茂。Bリーグとホームタウンの幸福な関係。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

日本バスケットボール界の顔であり、Bリーグ初代王者栃木の中心である田臥勇太。彼の存在が、多くの選手の手本になっている。

川村卓也は、横浜を「バスケどころ」にしたい。

 たとえば、横浜ビー・コルセアーズと、川村卓也。

 NBA挑戦経験もあり、並み居る外国籍選手を押しのけ、JBLで過去4度の得点王に輝いた生粋の点取り屋。アーリーカップで幾多の選手を撮影した弊社写真部の末永裕樹が、アルバルク東京の田中大貴と並んで「撮っていて楽しくなる選手」と名を挙げるそのプレーぶりは美しく、雄々しい。

 しかし横浜のBリーグ元年は、シーズン途中には手応えを掴んだ時期もあったが、レギュラーシーズンの成績は地区最下位。B1・B2入替戦をギリギリ制してのB1残留は、川村にとって不本意以外のなにものでもなかった。雪辱を期して臨む次のシーズン、彼は横浜とのつながりについて、こう語っている。

「このチームに来て2年目を迎えますが、街中でも少しずつ声をかけてもらえるようになりました。以前栃木ブレックスに所属していたときに、栃木、宇都宮の皆さんの街ぐるみでの応援を肌で感じることができて、ありがたかったし、『僕らは街の人たちに見られているんだ』という意識も生まれました。横浜は宇都宮と比べて街の規模も大きいし、野球チームもサッカーチームもあって、プロスポーツを楽しむポテンシャルはまだまだある。僕たちもこれからもっと、街や人々とつながっていきたい。そのためにも結果を残したい」

 宇都宮という「バスケどころ」で感じた街との一体感を、今度は横浜でも──。

 ビー・コルセアーズは昨季、平均観客数が前年度比で65パーセント増と、Bリーグの中でもファンサービスに力を入れ、成果を着実に上げているクラブ。すでにして築かれはじめた「幸福な関係」をもっと強固なものにするべく、川村の横浜での日々は続いていく。

「いや、ぼくにはバスケ愛なんてないですからね」

 そして、レバンガ北海道と、折茂武彦。

 昨季トップリーグ通算9000得点という、日本生まれの選手としては前人未到の記録を達成してもなお、孤高のシューターとしてチームを支え続ける一方で、クラブの代表取締役、いわばオーナーも兼任する47歳のレジェンド。歯に衣着せぬ発言でも知られる折茂は、インタビューでこれまでのバスケ界への不満やBリーグ1年目の感慨を飾ることなく語ってくれたのだが、中にはこんなドッキリするような発言があった。

「いや、ぼくにはバスケ愛なんてないですからね」

【次ページ】 生きる手段だったバスケが、いつしか……。

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