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上野裕一会長が池田純に語った、
サンウルブズ結成までの“夢物語”。
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph byYuki Suenaga
posted2017/08/21 12:00
「私が選ばれているのも、交渉に長けているから」
上野「実は交渉に関しては内憂外患です。外患のほうは与し易くて、内憂がつらいんです。外患はぶつかろうとすればぶつかるし、仲間を作ろうとすればいくらでもできる。
スーパーラグビーの運営組織である『サンザー』(SANZAAR、南アフリカ共和国、ニュージーランド、アルゼンチン、オーストラリアの合弁事業)のトップと飯食って酒飲むことですよ。私が選ばれているのも、そういう交渉に長けているから。ただただお友達になるのが得意なんです」
大きな夢を実現させた“交渉人”はそう謙遜するが、'18シーズンへ向けてまた1つ交渉ごとを形にしている。
それが南アフリカカンファレンスからオーストラリアカンファレンスへの移籍だ。
これにより多数の在留オーストラリア人を取り込んでの観客数増が狙える。さらにその先には大きな物語が……。
「我々が考えなくてはいけないのは'20年以降のこと」
「もちろん'19年W杯に向けての強化が第一ですが、本来的に我々が考えなくてはいけないのは'20年以降のこと。そうなると、トップリーグが頑張って、相乗効果でサンウルブズも頑張れるというのがいい。
そこで、トップリーグはレギュラーシーズンをやり、春先にまた別のトップリーグに集まってはどうか。
例えば、フランスのトップ14やイングランドのプレミアシップのトップチームと東京で決勝大会を行なう。トップリーグだって日本国内の戦い方をしているだけでは面白くないでしょう。
トップリーグそのものを世界とつなげようというアイデアです。
私の夢物語ですけどね」