野球善哉BACK NUMBER
優勝校に負け続ける屈辱を経て……。
花咲徳栄、初回の猛攻撃で勝つ!
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/08/19 17:00
2年時から4番として活躍し、甲子園の通算打率では5割を超えるという、プロ注目の花咲徳栄・西川。
「指示はほとんど出していないんです」
その大阪桐蔭も3度の屈辱を経て、'08年夏、浅村栄斗(現西武)を擁してついに17年ぶりに頂点に立ったのだ。その後の常勝ぶりは周知のとおりである。
監督の岩井は言う。
「昨年、一昨年と150kmを超える優勝投手と対戦して、こういう投手を打ち崩せないと甲子園では勝てないんだな、という想いでチーム作りをスタートしました。今までは安全に、安全にという戦いだけをしてきた。バッティングに制約を与えて、打たないボールを決めるなど無難な戦いをしてきた。今日はとにかく“恐れず攻める”ということを徹底しました。なので、実は指示はほとんど出していないんです。
ここまで安全な戦い方で勝ち進んできて、ここ一番では急に攻撃力が増すような戦いぶりでも勝利できた。2つの戦い方で勝つことができたのは大きいと思います」
ついに、鬼門となった優勝候補との“関東対決”を制した。
花咲徳栄が、大きな1勝を挙げた。