“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
炎天下で連戦するIHサッカーの死闘。
日大藤沢が考えた17人で勝つ方法。
posted2017/08/14 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
真夏の連戦、インターハイ。宮城県で開催された今年は、暑さと言う面では例年と比べてそこまでひどくはなく、1回戦や準決勝、決勝の気温は若干の肌寒さを感じるほどだった。
しかし、1回戦から3回戦まで連続して試合に出て、わずか1日の休みを挟んで準々決勝から決勝まで戦い抜くというこのレギュレーションは、あまりにも過酷ではないだろうか。
そして、さらに彼らを苦しめているのが、大会にエントリーできる登録人数の少なさである。
高校選手権は登録人数が30名でベンチ入りは20名。
高円宮杯プレミアリーグはベンチ入りこそ18名だが、これはリーグ戦のための登録選手30名の中から試合ごとにメンバーを入れ替えることが出来る。
プリンスリーグは地域によって異なるが、プリンスリーグ東海では試合毎の登録とリーグ登録は25名以内、プリンスリーグ東北では試合毎の登録は20名以内、リーグ登録は30名以内となっている。
しかし、インターハイは登録の時点で17人しか認められていない。
つまりピッチ上以外のベンチにいるメンバーは6人で、うちフィールドプレーヤーがたった5人しかいない。
しかも、連戦にもかかわらず、ケガ人が出たときの補充も認められていない。負傷離脱した選手がいるチームは、より少ない人数で回していかなければならないという非常に厳しい条件下で彼らは戦っているのである。
そんな過酷な条件下で、インターハイを勝ち抜くために重要視されるようになったのが、「17人のマネジメント」にある。
選手の起用法で最も工夫があった日大藤沢。
異常な消耗戦の中で、17人という限られた人数を有効活用し、どうやって決勝までチームをマネジメントしていけるか……。
このマネジメントをどこよりも徹底して重視したのが、今夏、準優勝に輝いた日大藤沢だった。
「我々は流通経済大柏さん、市立船橋さん、前橋育英さん、青森山田さんのような『横綱相撲』で勝ち上がることは出来ない。だからこそ、17人のマネジメントで準備をしっかりとして戦って行こうと臨みました。日本一になるために、日本一の準備をしようとしました」
こう語るのは日大藤沢の佐藤輝勝監督である。