“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
FWとの空中戦で「うおりゃああ!」。
流通経済大柏・関川郁万は武闘派CB。
posted2017/08/15 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
9年ぶり2度目のインターハイ制覇を果たした流通経済大柏。この快挙の立役者となったのが、今大会5試合すべてでスタメンだった唯一の2年生、DF関川郁万(いくま)である。
180cmとセンターバックとしては決して大柄ではないが、ずば抜けた身体能力を持ち、特に高い打点でのヘッドは強烈な武器。さらに対人プレーでも優れており、負けん気の強さを前面に見せるプレーは、流通経済大柏の守備に欠かせない。
関川のプレーは、鹿島アントラーズに在籍する植田直通を想起させる。
身長では植田の方が高いが、ピッチ上での佇まいと雰囲気、そして闘争心むき出しのプレースタイルは、本当にそっくりだ。筆者は関川を高1の頃から取材し続けているが、見るたびに植田の雰囲気に近づいている印象を受ける。
180cmでもヘッドは絶対誰にも負けたくない。
ある時、彼と空中戦のディティールについて話していた時、真剣な顔つきで自身の思いをこう語っていたい。
「ヘッドはずっとこだわっています。タイミングとボールの落下地点は経験がものを言うので、中学時代からずっと研究してきました。中2の終わり頃から頭でしっかりととらえられるようになってきて、そのころから自分の武器にしていこうと思いました。コツコツと磨いてきたものだからこそ、絶対誰にも負けたくないんです」
ちなみにその話を聞いた時、高校時代の植田の言葉がフラッシュバックした。
植田も高校入学後に空中戦の魅力に取り憑かれ、「相手を潰すつもりでやっている。ヘッドは毎日のようにやってきたし、そこでは絶対に負けたくないんです」と、常に口に出していたからだ。
自らの武器への強いこだわりと、強烈な負けん気。今回のインターハイを見ていても、関川はそのプレーを貫いていた。