プレミアリーグの時間BACK NUMBER
マンCがSB3人獲得に185億円!
ペップの高い要求に応える選手は?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/07/30 11:30
プレシーズンマッチではモウリーニョ監督率いるユナイテッドに0-2で敗戦。ペップ体制2年目のシティは巻き返せるか。
大枚をはたいてスペシャリスト3名を獲得。
しかし、フロントが3億ポンド(約435億円)規模とも言われる補強予算で応えて臨む今季は違う。右SBにはサッカーのスタイルに共通点があるトッテナムから、カイル・ウォーカーを手に入れた。また、競争相手として逆サイドもこなせるダニーロをレアル・マドリーから獲得。左SBの新たな担い手は、モナコから引き抜いたベンジャミン・メンディ。スペシャリスト3名がSB陣に揃った。
マンCの改革が一度機能し始めれば、四方八方から攻撃を繰り出すことだろう。相手守備陣の意識がアウトサイドに向けば、それはそれでしめたもの。前線中央では前述のプレーメイカー陣が虎視眈々とチャンスメイクを狙っている。
最前線では、セルヒオ・アグエロの放出をグアルディオラ自身が否定しており、若く勢いのあるガブリエル・ジェズスも中足骨骨折から復帰する。そしてモナコの新星キリアン・ムバッペを1億ポンド台の移籍金で奪い取る線も消滅してはいない。
万全の2年目はプレミア優勝とCL4強が現実目標。
当然ながら、改造の成果が開幕からすぐに現れるという保証はない。最後尾の起点としてベンフィカから買ったブラジル人GKエデルソン・モラレスは、プレシーズンに実現したマンチェスター・ダービーで無謀な飛び出しにより得点を献上している。だが今季のグアルディオラは、持ち駒に合わせて妥協していた昨季とは違い、自身が意図する戦い方で挑み続けられる環境にある。
その環境を手に入れた2年目は、自身へのプレッシャーも前年以上で、プレミア優勝とCL4強が現実目標と言ってもよい。
国内大手ブックメイカー(予想屋)の優勝オッズも2倍で、20チーム中最も低い倍率だ。新VIPパッケージを購入して観戦するマンCのファンは、エティハド・スタジアムのトンネルで「グアルディオラ化」されたチームと遭遇することになるだろう。
そして本格的なグアルディオラのマンCがガラス張りの新トンネルを抜ければ、優勝候補筆頭として立つプレミアのピッチにある。