欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
武藤嘉紀は“もやもや”してる?
「圧倒的な存在感? 間違いない」
posted2017/07/20 10:30
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
さぞかし、もやもやしているのではないか。今年に入ってからの武藤嘉紀をめぐる状況を見ていると、そう思うことが少なくない。
マインツでの2シーズン目となった昨季、右膝負傷からの復帰を期したが序盤で再び負傷。ようやく復帰したのは2017年に入って最初の試合、ケルン戦だった。そこからは9試合で先発5試合、途中出場3試合、ベンチ入りしつつ出場なしが1試合。満足とはいえないかもしれないが、それでも、チームに貢献し必要な戦力とされていることは確かだった。
だがドイツ国内での評価や、取材現場の温度とは反して、日本代表の3月シリーズに招集されず。
当時は心底悔しい表情をしつつ、「プロに入ってから初めて(キャリア)ダウン。でもここで代表に選ばれたら自分がイヤだし。這い上がってやるという気持ちです」と強気な闘争心を見せた。
「えー、俺も旅行でもしてみようかなー」
ふと、「代表期間中のオフの間に旅行でもしてみたら?」と提案してみた。大迫勇也がかつて代表招集されていなかった間に、欧州中を家族と旅行し「それはそれで充実していた」と笑顔で振り返っていたことを思い出したからだった。すると、武藤は少し脱力しこう答えた。
「えー、俺も旅行でもしてみようかなー」
苦笑いではあるが、少し表情が緩んだように見えた。
4月以降、つまり第26節以降の9試合はフル出場4試合、先発し終了間際の交代1試合、途中出場3試合、出場なしが1試合。負けはしたが強豪ライプツィヒから1得点し、合計3得点挙げている。
それでも、日本代表6月ラウンドの招集もなし。日頃の所属クラブでの活躍こそが代表選出の条件のはずなのにと、さぞもやもやしているのではと想像してしまうのだ。