ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
ロシアW杯は安価で快適な予感が。
コンフェデでモスクワの人情に感動。
posted2017/07/06 11:00
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
テヘランでふたつのワールドカップ予選、イラク対日本戦とイラン対ウズベキスタン戦を取材した後、ロシアではFIFAコンフェデレーションズカップのグループリーグ取材で来年のワールドカップ本大会で使われる予定の4会場(モスクワ、サンクトペテルブルク、カザン、ソチ)を回り、今はパリにいる。
コンフェデ杯は2001年の日韓大会から6回連続の取材になるが、感じたのは開催国ロシアの本気度だった。
大会の組織・運営が極めてスムーズなのに加え、ボランティアの対応も適切ですべてに過不足がない。
5年前のEURO2012でのウクライナの経験から、旧社会主義国の官僚的かつサービス精神のかけらもない無味乾燥な対応――ホテルやレストランを含め――を少なからず予想していた身としては、ポジティブな肩透かしを食らった気分である。
物価が安く、食べ物もまずますだったコンフェデ。
過剰なサービスもない代わりに、必要なものだけをさりげなく提供する――これまで三桁の国際大会を取材してきたが、ありそうでなかなかないことである。どんなに優れた運営を行っていても、普通はどこかにストレスを感じる。
メディアセンターの食事も適正価格で味もまずまずだった。これはロシアの物価の安さによるところが大きい。
同様にホテルや交通機関(鉄道、飛行機)の値段も日本より安く、来年の本大会では値上げが見込まれるとはいえ、前回のブラジルや前々回の南アフリカに比べると、ロシアワールドカップは経済的にずっと過ごしやすい大会になるだろう。