福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史がコンフェデで驚いたのは?
チリの“腕”の使い方を日本も盗め。
posted2017/07/05 11:30
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
AFLO
コンフェデレーションズカップを現地で解説したんですが、勉強になることがものすごくありましたね。開催地だったロシアの環境もそうですし、準優勝したチリの戦いぶりについては、日本が強くなるためのヒントを見せてくれたと思っています。それくらいチリについては語りたいことが山ほどあるんです(笑)。
まずは来年のW杯開催地となるロシアの気候についてです。僕はサンクトペテルブルク、ソチ、カザン、モスクワの4都市に行きましたが、体感的には日差しがある昼間はTシャツで過ごせるけど、日が落ちてくると「ちょっと風が冷たいかな?」と思うくらいの気温でした。日本で言うなら春頃で、サッカーをするにはベストに近い環境じゃないかなと。
ただオリンピック開催地だったソチは30度を超える日もあったようです。日本代表がW杯出場権を獲得できれば、会場によっての調整はしっかりと準備していきたいところですね。
ブラジルW杯の時と比べても、チリは強くなっていた。
比較的涼しい環境の中だったこともあって、今回のコンフェデはレベルの高い試合が多かったなと感じます。その中でも若手主体で臨みながらも優勝したドイツは、国全体で取り組んでいる強化をベースに選手層がさらに分厚くなっていた。3位のポルトガルも、クリスティアーノ・ロナウドが決めるべきところで決める辺りはさすがだなという感じですが、その2カ国と互角の戦いぶりを見せたチリが、本当にアグレッシブでした。
ここ近年、チリは戦術家で知られるビエルサ監督、サンパオリ監督のもとでチーム力をつけてきた。その頃から主力だったアレクシス・サンチェス、ビダル、ブラボといったメンバーがずっとプレーしていて、今のピッツィ監督のもとでも継続してチームを作っている。
ちなみに3年前のブラジルW杯でも決勝トーナメントに進出して“いいチームだな”とは感じたんですが、今回はその時よりも数段強くなっているんじゃないかと感じます。