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岩崎恭子、藤井四段、みうみま。
日本は「14歳」が好きすぎるのでは。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2017/07/03 11:00

岩崎恭子、藤井四段、みうみま。日本は「14歳」が好きすぎるのでは。<Number Web> photograph by AFLO

バルセロナ五輪で金メダルを取って一躍時の人となった岩崎恭子氏は20歳で引退し、海外留学を経て現在は再び表舞台で活躍している。

14歳で注目され、NBA入りした選手の結末。

 例外があったとすれば、アメリカの作家、ジョン・ファインスタインが1985~1986年のシーズン、インディアナ大学バスケット部に密着したノンフィクション、『瀬戸際に立たされて』(日本文化出版・絶版。傑作中の傑作だ)に登場する14歳の少年だ。

 彼はデイモン・ベイリーといった。

 ベイリーは本書の中で、インディアナ大の伝説的なコーチ、ボブ・ナイトから、

「デイモン・ベイリーは、ウチの大学のガードよりもいい。現時点で、すでに上だ」

と評価され、一気に全国的な知名度を誇るようになる。

 ベイリーは注目を力に変えた。高校では州のチャンピオン、そして大学もインディアナに進み、ナイトの下でプレーした。しかし、神通力はこの段階までしか通じなかった。

 卒業と同時にNBAのドラフトで地元のインディアナ・ペイサーズに指名されたが、ケガにも悩まされ、芽が出ずに、プロの世界を去った。

 14歳で取り上げられたのは、彼にとってプラスだったのか、それともマイナスだったのか。判断は難しい。

活躍すれば取り上げたいのはよくわかる。

 ミドルティーンは人格の形成期でもあり、取り上げ方は注意を要すると個人的には思っている。

 むしろ、選手よりもコーチの10代の選手に対する指導哲学や、育成方法を取材した方が、中身のある原稿を書ける可能性が高い。なぜなら、ミドルティーンでは、競技の魅力や自分の強みを言語化することに慣れていないからだ。不思議と、選手たちも高校2年、3年になると自分の言葉を獲得するようになってくる。

 活躍すれば、当然のことながら取り上げざるを得ない。しかし、アプローチには様々な方法がある。

 メディアも、選手たちの成長を見守る余裕が必要なのだと思う。

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