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岩崎恭子、藤井四段、みうみま。
日本は「14歳」が好きすぎるのでは。
posted2017/07/03 11:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AFLO
取材で、エディー・ジョーンズさんはこう言い放った。
「日本人は『若い人』が好きなんです」
エディーさんが、小学生のラグビー大会を見ていた時のことだ。ある記者が近寄って来てこう質問したという。
「誰か、小学生の中で、目についた選手はいますか?」
エディーさんは驚き、呆れたという。
「小学生のレベルでも、足が速いといった素質を見ることは出来ますよ。でも、誰が将来のジャパンに選ばれるかなんて、私にだって分かりません。無駄な質問です」
岩崎恭子に浴びせられたブーイングの正体。
日本のメディアは、今も昔も、なぜか「14歳」が好きだ。
1992年のバルセロナ・オリンピック、14歳の岩崎恭子が金メダルを獲った。
「いままで生きてた中で、いちばん幸せです」
中学2年生から名言も飛び出して、「恭子ちゃん」は一躍時の人となった。しかし、彼女にとってそれが幸せだったかどうか、分からない。
そういえば、彼女に取材した時、
「SMAPのコンサートに行き、メンバーから『客席に岩崎恭子ちゃんが来てます』と紹介されると、ブーイングされてしまって」
と告白されたこともあった。
あるカメラマンの証言によれば、昨年2016年の競泳の写真で、もっとも需要が高かったスイマーは池江璃花子だったという。
金メダリストの萩野公介や、金藤理絵ではなく、池江。実力よりも、若さが好まれる。
卓球の世界でも、平野美宇、伊藤美誠の報道量が石川佳純をしのぐようになった。
そしていまは、張本智和(6月27日に14歳になったばかり)がダントツの注目度。