話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
堂安律がオランダで成功する理由。
人間性、メンタル、遠藤の太鼓判。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/06/29 11:00
堂安律は自らスピーカーを手に、サポーターに決意と感謝を語った。彼のキャリアは始まったばかりだ。
「海外で成功するために必要なものは、メンタルでしょ」
移籍先としてオランダという国を選択し、中堅クラブを選択したのも成長へのビジョンが明確だからである。
「19歳、20歳で試合に出れないと意味がない。まず試合に出て、圧倒的な数字を残さないとあとにつづかない。出れば、やれる自信はあります。オランダのサイドハーフはロッベンを始め、スピードがあって仕掛けるイメージが強い。ただ、自分はそれだけじゃなく、中盤で組み立てもできるんで違う色を出せるかなと。あとは実際に行って慣れればスピードだけではなく、緩急やタイミングでいろんなことができるようになると思うんで不安とかないですね。生活面もパンとチーズを食べるし、食べ物は心配してない。持っていくもんはスパイクだけ。もう楽しみしかないです(笑)」
海外で順調に成長し、成功するためには何が必要なのか、も理解している。
「海外で成功するために必要なものは、メンタルでしょ。自分が一番うまいと思ってピッチに立たないとダメなんで、ビビらずにやることが一番大事なんじゃないかなと思います。もちろんコミュニケーションも大事だと思うんで、今はまだ英語もオランダ語もしゃべれないから勉強します」
1、2年はオランダ。そのあとは……。
海外にいけば19歳でも助っ人だ。
30%増しで自国の選手よりも厳しくみられるだろうし、うまくいかないと叩かれる。その痛烈さは日本の比ではない。くじけてダメージを引きずったままでは生存競争に勝てない。
そんな時、自分を支えてくれるのは強いメンタルしかない。オランダの“後”は、どう考えているのだろうか。
「まず、1、2年はオランダで勝負したい。その先はいずれビッグクラブに行きたいですね。バルサでやるよりも、バルサと戦えるチームにいきたい。ユベントスとかユニフォームがかっこいいし、強いじゃないですか」
誰もが行きたいというバルセロナではなく、対戦相手になるチーム、しかも人気のスペインやプレミアではなく、イタリアのユベントスというのがいい。弱冠23歳、ユベントスのエースで同じ左利きのパウロ・ディバラと自分の姿を重ね合わせているのかもしれないが、目指す先もその理由も自分らしくブレがない。