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AFCが済州に下した処分を検証する。
日韓サッカー騒動史に新たな視点を。
posted2017/06/10 08:00
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
6月9日、韓国の『スポーツソウル』紙が第一報を報じた。5月31日のアジアチャンピオンズリーグラウンド16第2レグ、浦和レッズvs.済州ユナイテッド戦での暴行の処分だ。
・試合中、警告累積でレッドカードを受けたチョ・ヨンヒョンに6カ月の出場資格停止。制裁金2万ドル。
・試合終了直前に阿部勇樹に暴行したぺク・ドンギュに3カ月の出場資格停止、制裁金1万5000ドル。
・試合後、槙野智章を追いかけたクォン・ハンジンに2試合の出場資格停止と制裁金1000ドル。
・済州のクラブ側に制裁金4万ドル。浦和にも制裁金2万ドル。
これまで大きくは議論されてこなかったチョ・ヨンヒョンへの処罰とその重さは意外なものだった。アジアサッカー連盟(AFC)は後半36分にチョがファウルで退場し、なおかつ試合後の乱闘にまで参加したことに対して重い罰を課したとみられる。第一報が載った『スポーツソウル』は「済州は異議申し立てをする見通し」と続けている。
済州を声高に批判するのは不利だ、という考え。
これまで筆者のアジアチャンピオンズリーグ日韓対決ウォッチングを読んできて下さった読者に申し訳ない気持ちもあったが、実はこの件については“黙っていよう”と決め込んでいた。
メディアを通じて済州ユナイテッドを刺激しすぎることは、浦和レッズにとって不利になりうると、状況を読んでいたからだ。相手への批判はもう十分に他の媒体や書き手が役割を果たしていた。
ではその間何をしていたかというと、AFCに対し「いつ処罰が発表になるのか」の情報を探ってきた。6月8日の夜から、9日の朝にかけて発表されるという話だった。同時にAFCの「規律と倫理指針」や過去の処罰事例を読み込んでいた。
浦和レッズの選手にも「挑発をした側」として処罰が及ぶ。そういう心配をしていたからだ。