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ホークス三軍監督に就任の元スター。
佐々木誠は原石に「期待しない」? 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2017/05/25 08:00

ホークス三軍監督に就任の元スター。佐々木誠は原石に「期待しない」?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

柳田悠岐、千賀滉大、武田翔太、上林誠知らは三軍で経験を積んでホークスの主力選手へと成長した。

9年間の社会人野球指導を経て、ホークスへ復帰。

 また、佐々木といえば世紀の大トレードを連想する野球ファンも多いだろう。

 '93年オフ、ライオンズの大スターだった秋山幸二を含む3対3の大型トレードに巻き込まれた。しかし、新天地でも主力として活躍し、ホークス時代には叶わなかったリーグ優勝も経験した。

 記録にも記憶にも残る名プレーヤーだった。

「ただ、僕自身はその辺で苦労した覚えはないですね。プロ野球で指導者に戻る時は育成の部門で仕事をしたいと、自分の方から球団にお願いしたくらいですから」

 現役引退後は、幾分変わった道を歩んできた。

 ダイエーホークス、オリックスブルーウェーブでコーチを務めたのち、'06年から社会人野球のセガサミーでコーチと監督、'11年から同じく社会人のNTT西日本でやはりコーチと監督を歴任した。9年間の社会人野球での指導を経て'15年にホークスの三軍打撃コーチに就任し、今年三軍監督へと転身したのである。

「社会人の監督は一からチームを作ることから始まります。しかし、プロ野球は担当コーチがいますからね。今は彼らの役割や個性を邪魔しないことが大事。だからプロ野球の監督って意外とやることがないんですよ(笑)」

「この仕事の大事なコツは期待をしないこと」

 ホークスは三軍制を導入して今季7年目になる。毎年のように「育成出身」が出現するホークス三軍は逸材の宝庫であることは間違いない。

 しかし、三軍にいる間の彼らはまだ「原石」にすぎない。だから三軍戦は時として、目を覆いたくなるようなプレーが散見される。四国アイランドリーグPlusとの交流戦は負け試合の方が圧倒的に多く、今年3月には社会人に完封され、大学生相手にも敗れた試合があった。

 佐々木三軍監督の若手育成論はこうだ。

「僕は打てない、守れないなどの結果だけで選手を叱ることはありません。ただ、怠慢プレーは別ですが、ミスはつきもの。そもそも彼らの多くは高校を卒業したばかり。野球そのものが分かっていないし技術もまだありません。本来ならば技術練習に特化したいところですが、まだ体力がない。土台がしっかりしなければ意味のない練習になってしまいます。

 だから変な言い方ですが、この仕事の大事なコツは期待をしないこと。期待するから叱り飛ばしたくなる。今の若い選手は叱り飛ばしてもダメ。反骨心じゃなくて反発心になってしまう。彼らの現状を把握して、今は何が必要かを理解すれば、そもそも怒りなんて沸いてこないですよ(笑)」

【次ページ】 自身の若手時代は「虐待みたいな練習でした(笑)」。

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