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福永祐一がカデナと目指す、
日本ダービー「18度目の正直」。
posted2017/05/24 07:00
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph by
Takuya Sugiyama
1996年、初騎乗初勝利で華々しいデビューを飾った福永祐一騎手。
以来20年あまりハイペースで勝利を重ね、JRA通算2000勝達成まであと29勝(5月23日現在)に迫っている。'99年の桜花賞を手始めにオークス、菊花賞、天皇賞などGIレースで20勝、加えて香港マイルやクイーンエリザベス2世カップなど海外でのGI制覇も5回を数える名手である。
そんな福永騎手も未だ手の届かない数少ないタイトルが、日本ダービーだ。Number927号「日本ダービー特集」では、初制覇を目指す彼に話を聞いている。
15年連続18回目となる今年のダービーはカデナ(中竹和也厩舎、父ディープインパクト)とのコンビで挑む。カデナは昨年11月の京都2歳ステークスに続き、今年3月の弥生賞でも連勝し、クラシック戦線の主役となった実力馬。4月の皐月賞では9着に沈んでいるが、当の福永騎手の口からは、カデナが秘める可能性とその根拠が語られた。
そのひとつが“逆算の準備”だった。
オーナー、調教師、厩舎スタッフと一緒に作った馬。
「昨年11月の京都2歳ステークスを勝った時点で、大目標をダービーに置いて、そこから逆算してレースを経験させていく形で進めてきた馬なんです。(武)豊さんが乗って勝ち上がりましたが、ヌーヴォレコルトで米国遠征しているタイミングで僕に回ってきた。乗り替わりの初戦は2着に負けたのに、前田幸治オーナーが『これは祐一がずっと乗る馬だから』とおっしゃってくださったんです。
京都2歳Sがいい勝ち方で、そこから中竹調教師といいコミュニケーションを取ることができています。厩舎スタッフも熱心な方ばかりで、一緒に作り上げている感はすごくありますね」