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福永祐一がカデナと目指す、
日本ダービー「18度目の正直」。 

text by

生島洋介

生島洋介Yosuke Ikushima

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/05/24 07:00

福永祐一がカデナと目指す、日本ダービー「18度目の正直」。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

福永の父・洋一も成し遂げられなかった悲願のダービー制覇。オーナー前田幸治の粋な計らいもあり、福永祐一の思いは例年になく強いはず。

カデナのオーナーが「ダービーは必ず祐一で行く」。

 順調に進んでいたダービーへの計画だったが、皐月賞のトライアルレース直前、福永は痛恨のケガを負う。

「弥生賞の直前に僕がケガ(落馬で左肘の靭帯を損傷)をしてしまったんですが、オーナーが『乗れないときはワンポイントの代打を立てるから焦るな。ダービーは必ず祐一で行くからな』と、そこでも心強い言葉をかけてくださり、自分のすべてを注ぎ込める環境を作ってくださいました。

 結局、弥生賞の前日に復帰することができて、いい勝ち方ができたわけです。人馬の意思疎通はかなり図れて、折り合い面での不安はまったくない」

「皐月賞の馬場は本当に特殊だったんです」

 そしてもうひとつ。皐月賞とは異なるダービーの“馬場と距離”も大きなポイントだと言う。

「皐月賞の馬場は本当に特殊だったんです。たまーにあるんですよね。前の週は雨馬場ですごく重く、外が伸びるような競馬だったはずです。そんな時に中間の降水量がぜんぜんないと、散水の加減もあって、一転してカチコチになることがある。僕が朝歩いたときは、内側4、5頭ぶんぐらいは芝がなくなってボコボコ。だから普通なら外が伸びるのですが、硬いから内でも残ってしまうんです。

 カデナは走りが軽快で、切れ味勝負の馬ですから、あの日のような、ボコボコ荒れているのに乾燥して硬くなっている馬場は向いていなかったとも言えるでしょう。

 東京の2400mという条件はいいと思います。操縦性を高めることをテーマの1つとしてやってきましたから、距離はこなせます。皐月賞は10年に1度くらいの非常に特殊な馬場状態だったので、今度は上位がガラッと変わる可能性も十分あると思っているんです」

【次ページ】 晴天が続く東京。馬場も特殊な状態にはならないはず。

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