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ディープ以来の無敗皐月賞馬は牝馬!?
ファンディーナは素質だけで3連勝中。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/04/15 09:00
フラワーカップからのレース間隔の問題で桜花賞を回避して皐月賞に参戦してきたファンディーナ。
エリート調教師と、名門生産牧場のコンビ。
高野調教師は41歳。福島出身で、帯広畜産大学では馬術部に所属した。ノーザンファーム空港牧場での勤務を経て、2002年から松田国英厩舎のスタッフになり、'11年に調教師として厩舎を開業。ホースマンとしてエリートコースを歩んできた。'14年にショウナンパンドラで秋華賞を勝ち、GI初制覇。これが重賞初勝利でもあった。翌'15年には同じショウナンパンドラでジャパンカップを制している。誠実な人柄と堅実な仕事ぶりでオーナーサイドの信頼は厚いが、まだクラシックの栄冠は手にしていない。
生産者の谷川牧場は明治45(1912)年に創業した老舗で、1973年のダービー馬タケホープ、'81年の菊花賞馬ミナガワマンナ、'94年のオークス馬チョウカイキャロルといったクラシックホースを送り出した名門だ。ファンディーナが皐月賞を勝てば、生産馬によるクラシック三冠制覇となる。
馬主のターフ・スポートにとっては初の平地GI制覇、騎手の岩田にとっては2年前の桜花賞以来のJRA・GI勝利がかかっている。
弥生賞馬カデナは、ダービーの方が本線か。
ここで皐月賞の印を。
◎ファンディーナ
○カデナ
▲スワーヴリチャード
△レイデオロ
×アルアイン
注サトノアレス
ファンディーナは4枠8番という、前後と内外を見ながら競馬ができる、理想的な枠を引き当てた。
弥生賞を勝ったカデナは、ここよりダービーでこそ、というタイプだ。
このところ皐月賞に直結している、共同通信杯勝ちから直行というローテーションのスワーヴリチャードが単穴。
ホープフルステークス以来と間隔があいたレイデオロは、能力的に勝ち負けしても不思議ではない。
アルアインは池江厩舎のディープ産駒というだけで怖いし、2歳王者のサトノアレスも見限れない。
スーパー女子が大仕事をやってのけるのか。それとも、男たちが意地を見せるのか。楽しみの多い皐月賞である。