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菅野智之vs.米国の強力スラッガー。
禁断の球種、ケンカ腰解禁で勝負!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKoji Watanabe/SAMURAI JAPAN via Getty Images
posted2017/03/21 12:00
MLBのスカウトも注目している菅野のピッチング。黒田博樹と同じか、それ以上の活躍を期待できる、という声も。
「デッドボールでぶつけた方がいいくらいの覚悟で」
「手が伸びるところは強い。いかに窮屈に見せるかということを意識して投げたい」
前日のブルペンでも右打者の胸元を意識したストレートを丹念に投げ込んでいる。もちろん内角を意識させることで、外のスライダーやフォークを生かす目的だが、大切なのはそこに投げ切る勇気をいかに持てるかなのだろう。
「(内角を)ガンガン攻めていきたい。ホームランを打たせるなら、デッドボールで一発、ぶつけた方がいいぐらいの覚悟でやりたい」
制球に自信があるからこそ、逆に飛び出したセリフだったが、ケンカ腰にこう語る姿には、気持ちでは絶対に負けないという思いが込められていた。
「甘いボールは打たれるし、いいボールはしっかりいい結果につながる。当たり前ですがムダな四球を出さない、先頭打者をしっかり切る、ツーアウトから長打を食わない、とか気をつけることはある。
ただ、ムダな四球を出さないと言っても、2死三塁ならあと2つ四球を出しても3人目で抑えればいい。
そのぐらいの気持ちで、とにかくどんな形でも0点に抑えることしかない」
菅野は米国戦で求められるピッチングをこう表現した。
日本の打者が苦手とするタイプの投手。
米国先発のロアークは球速150キロ前後で、打者の手元で動く真っ直ぐが武器。
力任せのパワーピッチャーではないが、ツーシームにスライダー、カーブなどの球種もあって日本の打者が苦手とするタイプの投手だ。
それだけにゲームの序盤はしのぎ合いとなる公算が高く、先発の菅野にかかる比重も大きくなる。