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一番倒したい選手は大谷翔平。
ロッテ高野圭佑、プロ2年目の野望。
posted2017/03/18 11:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
「ボールをグーッと引っ張って、前でバチンと放すイメージです」
今年、千葉ロッテ首脳陣がブルペン陣の一角として期待するプロ2年目の高野圭佑は、自身の最大の武器となるストレートのイメージをそう表現した。
社会人野球のJR西日本から、ドラフト7位指名でプロ入りして今年2年目を迎える。
昨年の8月31日(対オリックス戦)には1イニングで投げた全7球が、すべてストレートというときもあった。それでも相手を抑えられる稀有な存在。
伊東勤監督から「お前の最大の武器はストレートだろう。もっと自信を持って投げろ」と言われるくらい、周囲はそのストレートを高く評価している。
プロとして一番対戦したい選手は大谷翔平。
最速151キロと言われているが、本人が意識するのは球速よりもむしろ球持ち。
「ボールは握るというよりも、ボールを持つ手を叩かれたら落ちてしまうくらいのイメージ。極力握らない感じを大切にしていますね。ボールの縫い目に指をちょっとひっかけているだけって感じで……」
来ることが分かっていても捉えることが出来ない彼のストレートは、そんな繊細な感覚から生まれていた。
高野の魅力は何も、力強いストレートだけじゃない。ピッチングに関するクレバーな思考も彼の魅力の1つだ。
2015年の新入団選手発表会で高野は、「プロで対戦したい選手」という質問に対し、北海道日本ハム・大谷翔平の名前を口にしたが、のちにその理由を彼に尋ねると不敵にもこんなことを口にした。
「(大谷選手は)体を崩された後のバッティングが素晴らしいなと個人的には思っています」