酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
世界がやっと菊池涼介に気がついた。
データで見るNPB史上最高の守備能力。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/03/17 11:00
菊池涼介と坂本勇人が披露したグラブトスは、確実に大会のハイライトになるシーンだったが、彼はシーズン中これぐらいのことを何度もやる男である。
「試合数が違うから比べられない」って?
「NPBは、毎年のように試合数が違うのだから、単純に比較しても仕方がないだろ?」
おっしゃる通り、では、補殺数÷その守備位置での出場試合数、つまり1試合当たりの補殺数=A/Gのランキングをご覧に入れよう。二塁手としての出場試合数80試合以上。
1. 菊池涼介(広島) 2013年 528補殺 141試合 A/G 3.74
2. 菊池涼介(広島) 2016年 525補殺 141試合 A/G 3.723
3. 菊池涼介(広島) 2014年 535補殺 144試合 A/G 3.715
4. 和田 豊(阪神) 1992年 319補殺 86試合 A/G 3.709
5. 千葉 茂(巨人) 1949年 495補殺 134試合 A/G 3.69
1試合当たりの補殺数でも、上位3位までが菊池。文句なしに菊池がナンバーワンだ。ちなみに6位は1940年大阪・宮崎剛の3.48、7位は2008年広島・東出輝裕の3.47だ。
MLBにも、菊池のような二塁手はいない。
最後にMLB二塁手との比較をしておく。MLBは162試合、NPBは143試合だから、単純な補殺数の比較は意味がない。2016年、100試合以上二塁を守ったMLB選手のA/Gベスト5。
1.オドーア(レンジャーズ)428補殺 146試合 A/G 2.93
2.ルマヒュー(ロッキーズ)422補殺 146試合 A/G 2.89
3.パニック(ジャイアンツ) 363補殺 126試合 A/G 2.88
4.キンズラー(タイガース) 432補殺 151試合 A/G 2.861
5.ハリソン(パイレーツ)366補殺 128試合 A/G 2.859