酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
世界がやっと菊池涼介に気がついた。
データで見るNPB史上最高の守備能力。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/03/17 11:00
菊池涼介と坂本勇人が披露したグラブトスは、確実に大会のハイライトになるシーンだったが、彼はシーズン中これぐらいのことを何度もやる男である。
メジャー特有の状況があるとはいえ、菊池との差は歴然。
1位のオドーアは今、WBCベネズエラ代表として大活躍をしている。
しかし、A/G、つまり1試合当たりのゴロ処理数は、菊池よりも1個近く少ない。MLBでは引っ張る右打者が多いため、遊撃手の守備機会がNPBよりも多い。相対的に二塁手の守備機会はNPBよりも少なくなる傾向にはある。
単純比較はできないが、守備成績で見る限り、菊池はMLBにも比べる対象がいない「異能」だとは言えよう。
菊池涼介はまだ27歳。打撃もそうだが、守備記録をどこまで伸ばすだろうか。
我々は「歴史的な二塁手」を目の当たりにしている。そういう思いでWBCを観戦すれば、さらに味わい深くなるのではないか。