話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
すべてを懸けた開幕、現実は連敗。
札幌、J1残留へもう訪れた正念場。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/03/11 07:00
まだ「2/34」が終わったのみ。新加入ながら主将を任される兵藤のもと、日本最北端のJクラブは反撃態勢を整える。
「絶対に負けたくないという思いが強かった分……」
札幌は、おそらくシーズン折り返し時点で試合数と同数程度の勝ち点を計算しているはずだ。そのためには昨年の中位、下位チームから確実に勝ち点を奪わなければならない。しかも仙台に勝てば自分たちの戦い方に自信を持てるし、勢いにも乗れる。それだけに開幕戦は絶対に落とせない試合だったが、内容的にも完敗してしまった。
「仙台戦はキャンプから準備して来て、絶対に負けたくないという思いが強かった分、負けたのはかなりショックでした」
河合竜二の言葉からも仙台戦がただの1試合ではなく、非常に重要な試合だったことがうかがえる。
河合投入後、セカンドボールを拾って展開できていた。
とはいえ2連敗しても、札幌にはまだまだ可能性がある。
マリノス戦の前半のように狙いどころを絞って、前からアプローチしていけば十分戦える。その方が相手は嫌がるだろうし、得点のチャンスも広がるはずだ。
守備重視で今後の戦いに挑むにしても、両ウイングバックをもう少し高く置き、積極的な守備に切り替えれば札幌の良さがもっと出るだろう。あとは、それを実行できる勇気を持てるかどうかだ。
「後半に失点して苦しくなったんですけど、竜二(河合)さんが入ってきてダブルボランチになってから、セカンドボールを拾ってサイドに展開することができた。前半同様、やろうと思えば絶対にできるんで、失点しても押された中でも自信をもって自分らはやれるんだって思ってやるしかない」
深井の言葉は、札幌の選手が今いちばん共有すべきものだろう。