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15歳の久保建英、U-20の中心になる。
飛び級懐疑説を封じる完璧なゴール。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2017/03/10 08:00

15歳の久保建英、U-20の中心になる。飛び級懐疑説を封じる完璧なゴール。<Number Web> photograph by AFLO

2020年の東京五輪に19歳で出場して、そのままA代表へ。そんな夢のコースを、久保建英ならばやすやすと成し遂げそうである。

前日の紅白戦から一転、チームの中心に。

 この日は、違った。パスワークの流れに乗り遅れることはなく、それどころか何度も顔を出してボールを呼び込み、周りを動かす場面も見られた。スペースへダイナミックにランニングし、足元でパスを受け、ワンタッチで大型DFをいなした。ペナルティエリア奥深くまで、ドリブルでもぐりこむシーンもあった。

「昨日の紅白戦ではあまりボールに関われなくて、声も出せなかったんですけど、今日は少し声も出せて周りに要求をさせてもらって、何度かボールを引き出すことができました」

 小川とのコンビネーションも、時間の経過とともにスムーズになっていく。背番号9を着けた19歳にボールが入ると、背番号15の15歳はワンタッチでボールを受けられる距離感を保つ。

「小川さんとは連係していこうと話していて、近すぎず、遠すぎずの距離で、フリックも使ったりしようと言っていました」

 スペースへ飛び出した2トップのパートナーへ、最高のタイミングでスルーパスも通した。試合後の小川は、「あとは僕が決めるだけでした」と悔しさを口にしながらも、陰りのない表情を浮かべた。

「宿舎でも試合前のアップ中でも、こういうときはこういう動きをすると話をしていました。久保のプレーの特徴はつかんだので、ああいうパスが出てくるのも分かっていた。ちょうどいいタイミングで、ちょうどいい質のパスでした。いい関係が築けて良かったです」

U-20の2列目は人材が豊富なのだとすれば……。

 U-17日本代表での久保は、2列目の右サイドを基本ポジションとしている。ゲームメイクも担いながら攻撃に違いを生み出していく役割だが、内山監督のチームは2列目の人材が豊富だ。

 アジア予選でMVPに輝いた堂安律がいて、川崎Fで定位置確保を狙う三好康児がいる。今回の合宿にはこの2人が参加していなかったものの、横浜F・マリノスの遠藤渓太やサンフレッチェ広島の森島司が鋭い動きを披露した。

【次ページ】 この日見せた2トップがベストポジション。

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