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ついに名古屋vs.岐阜が雌雄を決する!?
J2「名岐ダービー」という痺れる対戦。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byKazuhito Yamada,Kouichi Takamori/Kaz Photography

posted2017/03/09 11:00

ついに名古屋vs.岐阜が雌雄を決する!?J2「名岐ダービー」という痺れる対戦。<Number Web> photograph by Kazuhito Yamada,Kouichi Takamori/Kaz Photography

おどけた表情でゴールアピールをする岐阜の田中パウロ淳一。岐阜のサポーターにとっては一生忘れられない1点となった。

岐阜は「名古屋の植民地」なんかじゃない!

 すべて、名古屋に持っていかれる――。

 いつしか岐阜は「名古屋の植民地」とまで揶揄されるようになっていたのである。

 そんな状況下で、2008年に岐阜県初のJリーグチームとなるFC岐阜が誕生した。そして、10年の歳月を経て「名岐ダービー」が実現した。

 これまでのプレシーズンマッチでは何度も対戦をしたが、やはり本気の公式戦での直接対決とは訳が違う。

 何もかも負けているだろう名古屋に、サッカーでは勝つ!!

 岐阜県民の積年にわたる想いが、この「名岐ダービー」に込められているのである。

なんと! 岐阜の田中パウロ淳一が先制点を!

 3月4日の試合当日。

 豊田スタジアムには2万1878人もの観衆が詰めかけ、1600人あまりの岐阜サポーターがゴール裏に陣取った。

 試合前半は……実は完全に岐阜ペースだった!

 今年から就任した大木武監督のもと、4-3-3の高速プレスと、両サイドをしっかりと使ったサッカーを駆使し、こちらも今年から就任した風間八宏監督率いる名古屋を圧倒した。

 試合開始直後はどこか余裕の雰囲気があった記者席(名古屋側のメディアが多数)も、時間が経つにつれ、ピリピリしたものに変わっていった。

 0-0で迎えた後半は、ポジション修正を施し、息を吹き返して来た名古屋に押し込まれるシーンもあった。

 そして……ついに79分に高速カウンターからFW田中パウロ淳一がシュートを叩き込む!

 一瞬にして凍りついた豊田スタジアム!

 その反対側で、1600人の岐阜サポーターの歓喜の声が響いた。

「よし! 行けるぞ!」と、筆者を始め、多くの岐阜サポーターは期待に胸を膨らませた。だが、この因縁の対決。やはり思い通りにはいかなかった……。

 試合最終盤になると、199cmのシモビッチをはじめ、立て続けに外国人選手が投入され、名古屋の分厚い攻撃陣が岐阜を苦しめ始めた。

 そして、90分にはセットプレーから同点弾を浴びてしまう。

 だが、これ以上の失点は許さない。

 同リーグで実現した初めてのダービーは、1-1のドローに終わった。

【次ページ】 ダービーの中身は「42分の1の試合vs.健気な挑戦者」!?

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