ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
もはやウッズは現役に未練なし?
思い出の大会、ドタキャンの真相は。
posted2017/02/26 11:30
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
AFLO
始まりの場所は、時代の終わりを告げる空間になってしまうのか。
2月のアメリカPGAツアー・ジェネシスオープン。今年メインスポンサーが変更されたロサンゼルスでの大会は、過去に丸山茂樹、伊澤利光が上位進出したこともあった試合だ。
ニッサン・ロサンゼルスオープンの名を博していた1992年のこと。当時アナハイムの高校生だったタイガー・ウッズは、このトーナメントで初めてツアーに出場した。
結果は予選落ちだったが、ウッズはのちにこう残している。
「ここからすべてが始まった。16歳の時に初めてPGAツアーに出場した。人生が変わる瞬間だったんだ」――
5週間の間に4試合というハードなスケジュール設定。
ウッズは腰の故障を発端に2015年8月末から戦列を離れていたが、昨年12月に松山英樹が優勝したバハマでのヒーローワールドチャレンジで実戦に復帰した。そして年明け、ウッズはツアーにカムバックする際、とても“病み上がり”とは思えない、ハードなスケジュールを発表した。
1月末から5週間の間に4試合に出場。カリフォルニア州サンディエゴでの試合で1年5カ月ぶりに米ツアーを戦い、翌週は中東に飛んでドバイで欧州ツアーに参戦。1週のオフを挟んで再び米カリフォルニア州ロサンゼルス、その次はフロリダ州の東海岸パームビーチへ。
それぞれ長距離移動を伴うだけに、体にかかる負担への心配はあったが、逆にそれを「傷が癒えた自信」と受け取る見方もあった。
だが、その希望は早々に打ち砕かれた。