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トランプの親族がマーリンズを買収!?
イチローと“子”たちの去就は。
posted2017/02/15 11:40
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Naoya Sanuki
衝撃が走った。
AP通信など米国の複数メディアが、マーリンズのジェフリー・ロリアオーナー(76)とニューヨークの実業家との間で、およそ16億ドル(約1820億円)の金額で球団の売買が大筋合意したと報じたのは、イチローのキャンプイン8日前のことだった。
球春間近に迫ったこの時期の身売り報道に誰もが驚きを隠せずにいたが、その売却先がドナルド・トランプ大統領の娘婿一族が経営する「クシュナー・カンパニー」と聞き、更に驚かされた。
「クシュナー・カンパニー」とは、トランプ大統領の長女イバンカさん(35)の夫であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問(36)の一族が経営するニューヨークの不動産グループでジャレッド氏の父・チャールズ氏がオーナーを務めている。今回の交渉にはジャレッド氏の弟であるジョシュア氏が中心に当たっていると言う。
クシュナー一族は2012年にも20億ドル(当時約1600億円)で売却されたドジャースの入札に参加した過去があり、球団経営には以前から大きな興味を示していた。
今回、米国の経済誌『フォーブス』は以下のような指摘をしている。
「クシュナー一族の総資産額は18億ドル(約2000億円)と推定されるが、資産が不動産に結びついているため現金を多く持っていない」
資金調達面に問題を残し、更には'05年にチャールズ氏が脱税容疑で服役の判決を受けたことなどを踏まえ、メジャーリーグ機構の承認が得られない可能性があり、破談もあり得ると報じている。
現マーリンズ・オーナーの悪評も相当なもので……。
一方のマーリンズのジェフリー・ロリアオーナーも悪評には事欠かない人物だ。
名門イエール大学で美術史を専攻した後、美術商として財を成したロリア氏は'02年に所有していたエクスポズ(現ナショナルズ)を1億2000万ドル(当時約136億2800万円)で売却し、同年にマーリンズを1億5850万ドル(当時約180億円)で買収。
この際には当時のバド・セリグコミッショナーから差額の3850万ドルを無利子で貸し与えられたという報道もある。