イチ流に触れてBACK NUMBER
トランプの親族がマーリンズを買収!?
イチローと“子”たちの去就は。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNaoya Sanuki
posted2017/02/15 11:40
マーリンズのチームメイトの多くがイチローを慕い、その教えを乞うている。果たして選手の刷新はあるのか否か……。
負けることで巨額の利益を生み出す錬金術!?
'03年にワールドシリーズ制覇をしたものの、その後は次々と主力選手を放出するファイアーセールを敢行。
年俸総額は常に30球団最低レベルに保ち、チームが下位に低迷することで機構から分配される収益分配制度で巨額の経常利益を生み出してきた。
その結果、'10年にはメジャーリーグ機構と選手会から年俸総額の引き上げを約束させられたいわくつきの過去を持つ。
また、その一方で'12年に開場した「マーリンズ・パーク」建設では、総建設費の7割に当たる3億6000万ドルをマイアミ市に負担してもらう代わりにチームの大型補強を約束。
前年度の8割増しとなる1億162万8000ドル(当時約81億3000万円)の開幕総年俸でホセ・レイエス、マーク・バーリー、ヒース・ベルらの大物FA選手を補強したが、チームが低迷するとシーズン中から再びファイアーセールを実施し、地元ファンからは“裏切り者”のレッテルを貼られた。
「ロリアはひどい計画を立て、郡からお金を得た」
今回、『マイアミニュータイムズ』紙は買収から売却まで、15年間で10倍以上となる巨額の差額を作り出した上での売却騒動を手厳しく批判している。
「ロリアオーナーはマーリンズ買収後、マイアミ市民の税金を球場建設にあてさせた一方で、チームへの投資は少なかった。スモールマーケットのチームは選手獲得への投資をすることなく、メジャーリーグの利益分配金で生き残ってきた。この売却が成立すれば、地元の郡は教育財政や図書館の運営に苦労しているにも関わらず、巨額のお金は全て彼の懐に入ることになる。ロリアはひどい計画を立て、郡からお金を得たことになる」