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稲本潤一「札幌をJ2には落とさない」
過去2回は最下位降格、3度目の正直。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2017/02/15 11:30

稲本潤一「札幌をJ2には落とさない」過去2回は最下位降格、3度目の正直。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

稲本潤一のピッチ上での存在感は衰えていない。ベテランになっても全く変わらない笑顔も印象的だ。

ボランチの序列で言えば、稲本は3番目。

 ベテランの復帰は心強いが、戦列に戻っても即レギュラーとはならないだろう。札幌は3-4-3が基本システムで、ボランチの基本ユニットは宮沢裕樹と深井一希のふたり。さらに仙台からキム・ミンテが加入し、昨年頭角を現した前寛之もいる。

「ボランチの序列でいえば宮沢と深井が一番、あとキヌ・ミンテがどのくらいやるかやろね。ただ、うちの場合、3-4-3が基本やけど5-3-2になることが多い。そうなると今も試しているけど、3ボランチになるケースが出てくる。ひとりがアンカーに入って、守備をせなあかんようになる。そこで自分が起用されるケースが増えるかなって思うんで、任せられるように準備していかなあかんと思っている」

 体の強さとボールを奪い切る能力は、昔も今も変わらない。さらに奪ってからのロングフィードなど、パスの精度も高い。札幌の中で、稲本はアンカーへの一番の適合者であることは間違いない。

「でも、アンカーは相当きついよ。1人で左右のスペースを埋めないといけないから、基本はずっと守っている感じ。ほぼ攻められへん。攻撃が自分の特徴でもあるけどフロンターレにいるわけではないし、札幌が勝つためには守る人が必要やと思っている」

8人で守れば簡単に点は取られないが……。

 堅守速攻が札幌のウリだ。しっかり守って、できるだけ高い位置でボールを奪って速く攻める。J2レベルでは、個人能力の差が出ると点が取れた。守備はピンチがあっても相手がチャンスでミスしてくれたり、そういう運もあって守り切ることができた。しかし、J1はそれでは通用しないと、稲本は経験上分かっている。

「昨年はなんとか凌いで勝てた試合が多かったけど、ピンチはけっこうあったからね。3回同じようなピンチがあったら、J1では1回は確実に決められる。まず守備の質を上げていかないといけない。でも今は5バック、3ボランチの8人で守備しているんで、それやとさすがに簡単に点は取られへんと思う。じゃー次はどうやって点を取るのかっていうのが自分たちの課題やね」

【次ページ】 都倉頼みの攻撃はJ1でも通じるか。

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