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稲本潤一「札幌をJ2には落とさない」
過去2回は最下位降格、3度目の正直。
posted2017/02/15 11:30
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
今年、5シーズンぶりにJ1リーグの舞台に帰ってきた北海道コンサドーレ札幌。
2008年、2012年と2度昇格しているが、どちらも1年でJ2に降格しており、その教訓を踏まえて今年は兵藤慎剛ら即戦力をしっかりと補強した。J1残留という目標に向けて着々と準備を進めている。
そのJ1での挑戦をひと際、愉しみにしている選手がいる。プロ20年目のシーズンを迎える稲本潤一だ。
「J1は3年ぶりやし、上のレベルでやれるのはいいよね。それに同世代の選手にも会える。実は'79年組のLINEがあるんですよ。満男(小笠原)とかヤット(遠藤保仁)とか、みんな入ってるんですけど今年は対戦があるし、会えそうなんで集まりたいね」
楽しそうに話す稲本だが、今シーズンの始まりはリハビリだった。
「開幕戦は無理やけど、3月中には」
昨年6月、千葉戦で負った右膝前十字靭帯断裂は全治8カ月の重傷だった。
「けがした時は、別に悲観的にはならへんかった。これで契約がなくなったら大変やったけど、してもらったんでね。まぁやってしまったもんはしゃーないし、普通に治るやろって思っていた。ただ、手術とリハビリが長いのが嫌だったけどね(苦笑)」
8カ月ものリハビリは順調に進んだが、プロ人生でこれだけ長く休んだことはなかった。2004年に代表戦で左足腓骨を骨折した時でさえ、4カ月でピッチに戻ったのだ。しかし、今回は選手にとって生命線ともいえる膝なだけに、稲本は慎重にリハビリを進めてきたという。
「ほんまやともう実戦をやれている日程やけど、自分の感覚ではまだかなぁ。ちょっと不安定な感じがするし、右足に力が入りにくい。スタッフとのボール回しとかはやっているけど、対人や試合で交錯した時とか、怖さがあるしね。ただ、それは乗り越えていかないといけない。開幕戦は無理やけど、3月中には試合に出られるようになればと思っているよ」