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センバツに漂う“打高投低”の予感。
清宮、安田以外の好選手を一挙紹介!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/02/14 08:00
屈託のない笑顔を浮かべる清宮。早実で一学年下の野村を含めて、今回の選抜では好打者が目白押しだ。
北関東勢、大阪桐蔭、報徳学園などにも好選手が!
攻撃陣の迫力だけで見れば履正社、早実が抜け出ており、あとに続くのが福岡大大濠、静岡、仙台育英だが、明治神宮大会に出場しなかった中にも強豪校が散見できる。
近年甲子園を席巻している北関東では前橋育英、健大高崎の群馬勢に勢いがあり、とくに健大高崎は伝統の機動力が今年も健在。昨秋の関東大会では、筆者が俊足の目安にしている打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」を明秀日立戦、横浜戦で4人(6回)が記録、計測した中では関東大会での最多だった。
優勝候補の一角に名前が挙がるのが近畿大会ベスト4の大阪桐蔭だ。大阪大会、近畿大会では決勝戦を前に敗れたが、2年生の藤原恭大(中堅手)、根尾昂(右翼手)は入学時から逸材と騒がれていた選手で、順調に成長のステップを踏んでいる。
報徳学園の遊撃手、小園海斗(2年)も注目選手だ。昨夏の兵庫大会2回戦で昨年のドラフトで阪神に3位指名された才木浩人(須磨翔風)からセンター前に強烈なヒットを放つなど、打者としても文句ない。そして、このセンター前ヒットのときの一塁到達タイムが4.18、4.20秒という俊足ぶりも見せた。クリーンヒットで4.3秒未満はプロでも数えるほどしかいない。
昨年の優勝校、智弁学園は前チームでも中心打者だった太田英毅(遊撃手)、福元悠真(右翼手)の2人の3年生がチームを引っ張る。西浦颯大(3年、右翼手)がいる明徳義塾、昨年の春、夏ベスト4のチームから木本凌雅(3年、一塁手)、廣部就平(3年、三塁手)が残った秀岳館も打線の迫力では負けていない。
145キロ超えを期待できるピッチャーは計14人。
投手はどうだろう。昨年の選抜では藤嶋健人(東邦)、高山優希(大阪桐蔭)、吉高壮(明石商)、高田萌生(創志学園)、吉川貴大(開星)が145キロ超えのストレートを披露したが、今年の大会で大台クリアが期待できる選手は次の14人だ。
平松竜也(3年、盛岡大付)、長谷川拓帆(3年、仙台育英)、丸山和郁(3年、前橋育英)金久保優斗(3年、東海大市原望洋)、桜井周斗(3年、日大三)、池谷蒼大(3年、静岡)、竹田祐(3年、履正社)、徳山壮磨(3年、大阪桐蔭)、根尾昂(2年、大阪桐蔭)、松本竜也(3年、智弁学園)、三浦銀二(3年、福岡大大濠)、田浦文丸、川端健斗(ともに秀岳館)、山口翔(3年、熊本工)。