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四大陸は平昌五輪テストイベント!
フィギュア日本勢の複数メダル期待。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2017/01/31 11:40
世界選手権前の大きな国際大会として、また、平昌五輪の本番環境の確認にもつながる今回の四大陸選手権は、羽生にとって非常に重要な大会となる。
男子表彰台はアジア系の独占となる!?
日本勢にとって最大のライバルは、アメリカの若手ネイサン・チェン、そしてカナダのパトリック・チャンと、北米勢の代表もメインはアジア系の戦いになりそうである。
他のメダル候補は、GPシリーズは不調だったボーヤン・ジンとハン・ヤンら中国勢。また2015年のこの大会のチャンピオンであるカザフスタンのデニス・テンがどのように調整してくるかも気になる。
アメリカのジェイソン・ブラウンがどこまで演技をまとめてくるかにもよるが、表彰台はアジア系で独占される可能性が大きそうである。
宮原にはタイトル保持を期待。
一方女子は、日本からは全日本選手権のトップ3、タイトル保持者として挑む宮原知子をはじめ、樋口新葉、三原舞依が出場する。
まだ18歳ながら、すでにベテランの風格を有する宮原は、今シーズン前半は苦戦した。スケートカナダでは厳しくジャンプの回転不足を取られ、ステップシークエンスがゼロになるなどかつてない状況にも面した。
だが動揺を見せずに、淡々と練習を続けて調子を安定させ、GPファイナルではパーソナルベストスコアを更新。ティーネイジャーとは思えない、このメンタルの強さは彼女の最大の強みかもしれない。
この大会で彼女本来の演技を見せれば、タイトルを守ることは難しくないだろう。
初挑戦となる樋口、三原は、五輪をにらんだ出場に。
全日本2位だった16歳の樋口新葉と3位に入った17歳の三原舞依は、初挑戦の四大陸選手権となる。いずれもミスを最小限に抑えれば、メダルのチャンスはある実力の持ち主だ。
だがそれ以上に、これからの日本女子を背負っていくことになる2人には、この大会を学びの機会にして、今後に生かすことを期待したい。特に3月末には、来季の平昌五輪の出場枠を決定する重要な世界選手権が待っている。
四大陸はシニアでの戦い方を学ぶ、貴重な体験として欲しい。