セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
酉年に飛翔する“イタリアの雄鶏”。
国民的支持を受けるFWベロッティ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/01/11 11:00
セリエAを騒然とさせているベロッティのとさかポーズ。空席だった“アズーリの本格派ストライカー”の座もほぼ手中に収めた。
愛称の元になった、幼い頃のエピソード。
ライバルも多い。特に次世代のアズーリをともに担うべきとされる1つ年下のFWベルナルデスキ(フィオレンティーナ)やFWベラルディ(サッスオーロ)は、U21代表でも鎬を削ってきた良き好敵手たちだ。
昨夏のEUROフランス大会でアズーリの主戦だったFWペッレ(山東魯能)は31歳になった。EURO2012準優勝に貢献した悪童バロテッリ(ニース)も結局、素行面での低評価を覆せずに代表招集を拒まれ続ける。
W杯の舞台で復権を目指すアズーリには、ロシアの地で躍動する新しい本格派ストライカーが求められているのだ。
昨秋の代表記者会見でベロッティは、イタリアにおける一層の若手決起を訴えた。
「今、代表にいる俺たち若手はどでかいことをやる用意ができている。(国民やメディアは)どうか俺たち若手イタリア人選手を信じてほしい。期待は決して裏切らない」
幼い頃、叔母の経営する農園で、卵はどこだと雌鶏を追いかけ回した。“ガッロ”の愛称と独特なゴールパフォーマンスの由来だ。
得点王を目指すセリエA後半戦といよいよ佳境を迎えるロシアW杯予選。鶏冠を立てながら、ベロッティは2017年を全力で駆けるだろう。