“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
選手権、来季の目玉を早くも発掘!
鹿児島城西・生駒仁という万能型CB。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2017/01/07 07:00
2016年には世代別代表にも招集された。日本サッカーが渇望する万能型の大型CBとして、生駒仁の名前が知れ渡っていくはずだ。
初戦、2回戦と2試合連続無失点に大きく貢献。
その結果はてきめんだった。
「自分の右側にボールが飛んで来たときは左足で、左側に来たときは右足で踏み込んで飛びます。両方で踏み切れるようになったことで、競り合いにも勝てるようになって自信がつきました」
選手権では注目を集める中、初戦で北陸(福井)を相手に、安定したプレーを披露して完封勝利に貢献をすると、2回戦ではプリンスリーグ九州を無敗で制した長崎総合科学大附属の強力アタッカー陣を完封(試合はPK戦で勝利)。注目に値するプレーを見せた。
だが、3回戦では課題を突きつけられた。前回王者の東福岡戦、開始早々の2分に今大会初失点を喫すると、相手の攻撃力の前に耐える時間が続いた。そんな中、GK泉森涼太とともに必死のカバーリングで守備の破綻を食い止め続けたが、76分に追加点、終了間際に3点目を浴び、敗戦の時を迎えた。
東福岡戦での生駒のプレーは、どこか消極的だった。
この一戦での生駒のプレーは、どこか消極的だった。東福岡が中央でのポゼッションとワイド攻撃を織り交ぜて揺さぶりをかけてくる中で、生駒は積極的に前に出て奪いに行く回数が少なく、バランスを気にするあまり、DFラインを下げてしまっていた。
そこには自分が必要以上に食いつくことで、裏を取られたり、ボールをはたかれてしまう迷いと恐怖心があるように感じた。要所を抑える守備力を見せたのはさすがだったとはいえ、彼本来のプレーではなかった。
「相手のサイド攻撃のクロスの質が高かった。もっと準備を早くしないと対応できなくなると感じました。他にも相手にボールを回されて行く中で、ボールにチャレンジできなかった。相手のポジション取りがすごく上手く、動き出しも早くて、行こうと思ってもすぐに背後を突かれそうになったり、予測が上手くいかず、うまく周りを動かすことが出来なかった。
もっと自分が周りを見て、予測しながら、コーチングで前の選手を動かして行かないといけないのに。もっと判断の質を上げないと行けないし、自分にもっとボールを奪い取る力があれば……」