“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
選手権、来季の目玉を早くも発掘!
鹿児島城西・生駒仁という万能型CB。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2017/01/07 07:00
2016年には世代別代表にも招集された。日本サッカーが渇望する万能型の大型CBとして、生駒仁の名前が知れ渡っていくはずだ。
1年間で飛躍したのは“右足の踏み込み”能力。
そんな生駒がこの1年で積み上げたものは大きかった。1年時から見ている筆者が感じた変化は、“右足の踏み込み”にある。
1年時の生駒は空中戦の際、両足で踏み込む癖があり、持ち味の高さを一層引き出す跳躍力が足りず、最高到達点が見た目以上に低かった。さらに相手のショートカウンターなど、自陣ゴールに身体を向けて守備をする際のターンスピードが左右にズレがあった。
右利きの生駒は軸足となる左足の踏み込みが強いため、自分の左側に来るアタッカーに対しては左足で踏み込んで素早くターンして対応していた。しかし右側から来た時も左足を踏み込んでいたため、カバーリングなどに遅れが生じていた。
この傾向は2年生になってから改善された。踏み込みが右でもできるようになり、ターンスピードが上昇。それによって武器としていたカバーリングとシュートブロックの質はさらに向上した。また空中戦でも両足ではなく、右足と左足の踏み込みを状況に応じて使い分けるようになり、最高到達点がグンと上がった。
ジェフのキャンプで指摘され、フィードバックした。
この変化について、生駒に聞いたことがあった。
「2年生に上がる前、春のジェフ千葉のキャンプに参加したときに、踏み込みを指摘されたんです。そこで今まで普通に両足で飛んでしまっていたことに気がついて、左右でやってみたら、左足の踏み込みはできるのですが、右ができなかった。そこから自分でも意識して取り組むようになりました」
そこから生駒は、高校でも変革に乗り出した。仲間にロングボールを蹴ってもらい、「空中での姿勢が崩れないように、常にフォームを意識して」右足の踏み込みジャンプの強化を徹底した。