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セルティックスの“新”アイザイア!?
身長175cmで打ち立てた驚異の記録。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph bySteve Babineau/NBAE via Getty Images
posted2017/01/06 11:30
2016年12月30日、マイアミ戦で52得点を挙げ、観衆を沸かすアイザイア・トーマス。
1試合で52得点。しかも3Pシュートを9本決めた!
2016年12月30日、トーマスはマイアミ戦で歴史に残る大活躍をし、チームを勝利に導いた。この日、彼は52得点。シュート26本中15本成功、そのうち3Pは13本中9本決め、フリースローは失敗なしの13本中13本成功。また52得点中29得点は試合終盤の4Qに挙げた。
この記録がどれ程凄いことなのか説明しよう。
1人の選手の1試合50得点以上は、長いセルティックスの歴史の中でも過去わずか7回のみ。これまでその経験があるのはバード、マクヘイル、サム・ジョーンズ、ピアースの4名だった(バードは50得点以上を4度記録している)。今回彼はそのエリートの仲間入りをした。
その中でも、トーマスより多く得点を記録したことのあるセルティックスの選手は、バード(60点と53点)、マクヘイル(56点)の2人だけである。
そして、1試合9本の3Pはアントーン・ウォーカーが2001年と02年に打ち立てた球団記録と同率1位。
また、試合終盤の4Qに挙げた29得点はNBAの歴史上2位(1962年にウィルト・チェンバレンが100得点を記録した試合で4Qに31得点)で、セルティックスの1Q内の最高得点記録を樹立した。
NBA史上、1試合52得点&3P 9本以上を記録したのは、コービー・ブライアント、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、カイリー・アービングとトーマスのわずか5名のみなのだ。
偉業を達成したのは、NBA現役選手で最低身長の選手。
特筆すべきは、世界最高峰の舞台でこれほど立派な記録を成し遂げたのが、神に選ばれた身体能力を持つと言われる“キング”レブロン・ジェームズでも、“NBA史上最高のシューター”との呼び声高い天才ステフィン・カリーでもなく、2メーター級の大男達が集うリーグ現役選手中、最低身長のアイザイア・トーマスだということだ。
これまでのトーマスのキャリアを表現するなら、「逆境との戦い」だった。