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セルティックスの“新”アイザイア!?
身長175cmで打ち立てた驚異の記録。
posted2017/01/06 11:30
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph by
Steve Babineau/NBAE via Getty Images
2016年も終わりが近づいた12月30日。ボストンのTDガーデンは地元ファンによる熱狂的な「MVP!」コールに包まれた。
1980年代には、ラリー・バード、ケビン・マクヘイル、ロバート・パリッシュの初代Big3、2000年代には、ケビン・ガーネット、ポール・ピアース、レイ・アレンのBig3と長きにわたりスターを輩出してきたボストン・セルティックス。労働者階級の熱狂的なファンを持ち、リーグ優勝最多の17回を誇る超名門球団である。
そのコアなボストンファンが送ったMVPコールは、公称わずか5フィート9インチ(約175cm)の小さな選手に向けられていた。
その男の名前はアイザイア・トーマス。
NBAに馴染みがある方ならば、聞き覚えがある名前だろう。1980年代中頃から1990年代初頭にデトロイトの“バッドボーイズ”ピストンズで活躍し、2度の王者に輝いたアイザイア・トーマス。
彼と同姓同名なのである。
レイカーズファンの父が付けた名前が「アイザイア」?
殿堂入りしている元ピストンズのレジェンドと親戚関係にはない。
命名した父親が熱狂的なピストンズファンだった訳でもない。
西海岸出身の父は逆にレイカーズの大ファンで、'88年にマジック・ジョンソン率いるレイカーズの優勝後、友人と翌年のレイカーズ優勝を賭け、負けたら生まれてくる子供に天敵のスター選手である「アイザイア」の名を付ける約束をしてしまったのだ。
そして、'89年はピストンズが優勝し、約束通りアイザイアと名付けられた(綴りは変更)子が、今コートに立っている27歳の彼だ。